北九州市を中心に60を超える病院などを展開する「北九州病院グループ」は6日、2026年春に4年制の看護大学「西日本看護医療大」(橋爪誠学長)を小倉北区に開学すると発表した。市内での看護系大学の新設は30年ぶりで、学校関係者は「地域医療の発展に貢献したい」と話している。
新大学は、JR城野駅近くの小倉北区東城野町に設置。グループが運営する北九州総合病院の敷地内に建設が進む。1学年の定員は80人で、初めての入試は30日に実施する。
市内で4年生の看護学科のある大学は、西南女学院大と産業医科大に続き3校目となる。
グループによると、臨床現場で高い実践能力を発揮できる看護師を養成することを目的に昨秋申請し、10月下旬に文部科学省から認可された。大学では、グループ病院と連携するほか、容体を再現できるマネキン型の高機能シミュレーター5台を導入して実習を進めるという。
北九州医療圏では6000~8000人の看護職不足の状況にあり、高齢化率も高まる。そのような状況を踏まえ、看護師不足の解消や高等教育の機会拡充、市内からの人材流出の抑制を図りたいとしている。記者会見に臨んだグループの野田誠吾会長は「看護師養成は専門学校から大学へシフトが進んでいる。豊富な実習先で実践能力を養うことができる強みを生かしたい」と述べた。
新大学のキャンパスは総合病院駐車場跡地に建設。RC造の6階建てで1~2階が駐車場、3~6階が学舎となる。校舎の延べ床面積は9174平方メートルで、12月末の完成を目指す。
グループでは3年制の看護専門学校(92年開設)も運営しており、「大学とすみ分けをして継続していく」(野田会長)としている。【橋本勝利】
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