両方の後ろ足を脱臼している雄のアルパカ「タック」=ときわ動物園提供

 山口県宇部市のときわ動物園は、膝の脱臼を繰り返すアルパカの装具製作費などを募るクラウドファンディング(CF)を始めた。園にとって初のCFで、広く協力を呼びかけている。

 12歳の雄のアルパカ「タック」(頭までの高さ約1・2メートル、体重約42キロ)は、2016年の開園時からいる人気者だ。

 数年前から両方の後ろ足の膝の骨が外れる「膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼」を繰り返し、放置すると自力で立てなくなり、命を落とす恐れがある。

 アルパカの脱臼予防のための市販装具はない。総合リハビリテーション学部義肢装具学専攻がある広島国際大で開発を始める矢先、タックのペアだった雌の「ジェーン」は、膝蓋骨脱臼の症状が進行して死んだ。園内にはタックとジェーンの娘、ソニア(8歳)とアルバ(3歳)もいる。

 CFは、装具開発と足の負担を軽減するマット導入の140万円を達成し、放飼場の土替えの450万円に進んでいる。ときわ動物園の担当者は「タックは餌やり体験で来園者に親しまれている。健康に暮らせるよう協力いただきたい」と話している。

 CFは12月12日午後11時まで。詳細はときわ動物園のホームページで。問い合わせは同園(0836・21・3541)。【綿貫洋】

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