日大三島ユニオンは非常勤教職員の賃上げを求めて授業ストライキを実施した=静岡県三島市で2025年11月25日午後0時46分、藤渕志保撮影

 日本大学三島高校・中学(静岡県三島市)の非常勤講師らで作る日大三島ユニオンは25日、非常勤講師の待遇改善を求め、有志組合員7人が授業のストライキを実施した。賃上げ申し入れ先の学校法人日本大学には10月31日にストを通告したが、妥結しなかった。

 ユニオンによると非常勤講師の給与は授業のコマ数に応じて決まり、年収200万円程度。授業準備や試験の採点、質問対応などの業務には給与が払われていない。これまでも賃上げ交渉をしてきたが、20年以上ベースアップがないという。

 法人側は今年の団体交渉で、理事会で検討すると返答したが明確な結論を出していない。ユニオンは10月末に「物価高でも賃上げが長期間なされず、多くの組合員が苦しんでいる」として、来年度からの非常勤教職員給与の15%増額に絞って要求。妥結しなかったため、ストを決行した。

 高校の8クラスで、1コマ15分ずつストを実施。参加した非常勤教職員の一人は「給与が安くても続けられているのは、子どもたちがかわいいからだ」と話した。ユニオン代表の林直紀さんは「最低賃金を超えればいいという問題ではない。生活できない水準だ。業務量に見合った給与を要求したいし、生徒や保護者の方にも私たちの状況を知ってほしい」と話した。

 日大は11月12日にホームページで「本学は検討に相当の時間を要する旨を回答した。生徒に不利益が生じないよう適切に対応する」と発表。当日のストライキ中は、専任教員に授業を代行させる措置をとった。【藤渕志保】

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