奈良のシカに関するマナーを啓発する看板=奈良市の近鉄奈良駅前で、山口起儀撮影

 「鹿せんべいでじらさない」「さわらない」……。シカと接するマナーを掲示したインバウンド(訪日客)向けの巨大な看板が近鉄奈良駅前行基広場(奈良市)に登場した。英語や中国語を大きく表記し、奈良公園のシカが国の天然記念物であることや、公園内で禁止している行為などを掲載。観光客らの目を引いている。

 県が11月20日に設置した。県奈良公園室によると、人とシカが共存する奈良公園の文化や生活様式の違いを理解してもらう狙いがある。インバウンドが増える中、奈良のシカとの接し方を知らない人も目立つようになり、鹿せんべい以外の餌をあげるなどの不適切な行為も散見。公園内のごみのポイ捨ても目立つという。

 行基広場の看板は縦2・7メートル、横4・1メートル。草むらを背にシカの親子が仲良く寄り添うデザインで「The deer in Nara Park are wild animals」(奈良公園のシカは野生動物です)と、英語で表記。同様の文を中国語でも記載する。外国人をターゲットに啓発しているため、3カ語のうち日本語表記が最も小さいのも特徴的だ。

 「古くから春日大社の『神鹿』として保護され、国の天然記念物にも指定されています」と、奈良のシカの特徴なども記す。

 マナーは「犬を近づけない」「エサやり禁止(鹿せんべいを除く)」「加害行為禁止」「ポイ捨て禁止」「追いかけない」もあり、計7種類をイラスト付きで紹介している。県奈良公園室は「外国人らに適切な接し方を知ってもらいたい」としている。【山口起儀】

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