
飛驒地方に伝わる正月飾り「花もち」作りが、岐阜県高山市内で最盛期を迎えている。市内の「飛驒の花もち組合」高山工房では、ヤナギや雑木の枝に、幅1センチほどの紅白の餅を一つずつ丁寧に巻き付けていた。作業は年末まで続く。
雪深い飛驒では、冬に生花が乏しく、餅を花に見立てて飾ったのが始まりとされる。20年近く制作に携わってきた工房代表の中野純江さん(51)によると、今年はクマの出没もあって株や枝などの材料集めに山奥まで入れなかったという。「クマの影響やコメを作る経費も上がっているが、花もちの文化を残していきたい」と話す。

工房では、切り株に立てるタイプのほか、しだれ柳に飾るもの、白一色のものなど種類もさまざま。出来上がった花もちは、名古屋や関東・関西方面にも出荷され、各地の家庭に一足早い春を届ける。

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