8日深夜に青森県で震度6強を観測した地震を受け、気象庁は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を出し「特別な備え」を取るよう呼びかけた。期間は16日午前0時までの1週間。日頃の防災対策の再確認に加え、防寒対策も重要となる。

主な対象地域は北海道から千葉県にかけた太平洋沿岸などの182市町村。国は、速やかに避難できる態勢を整えたうえで社会経済活動は継続するよう求めている。

具体的には、注意情報の発表に伴う「特別な備え」として▽非常持ち出し品をまとめた荷物を常時持ち歩き、寝るときも靴とともに枕元に置いておく▽すぐに逃げられる服装のまま一番安全な場所で就寝する▽土砂崩れなどのリスクが高い場所には近づかない――といった対応を挙げている。

津波警報などの情報をいち早く得られる態勢づくりも欠かせない。携帯電話の音量を平時より大きく設定し、ラジオを身近な場所に置いておけば、いざというときに役立つ。

日頃の備えも再確認したい。例えば、家具を固定し、倒れても通路を塞がない配置にするといった対策を講じておくことが重要だ。

非常用の水と食料の備蓄は最低3日分、できれば1週間分程度が望ましい。リュックサックなどに水や食料、懐中電灯や防寒着など避難時に必要なものをまとめておけば、地震発生時や津波警報が出た際に迅速に避難できる。防寒着やカイロなどの寒さへの備えも欠かせない。

強い地震があった青森県八戸市で、道路に散乱するガラス片などに注意を呼びかける張り紙(9日)=共同

災害の発生は時間と場所を選ばない。家族と連絡がとれなくなるケースも想定し、あらかじめ避難場所や経路を決めておきたい。気温が低い地域では最初の避難先が屋外の場合、屋内にある2次避難先の確認も必要となる。

後発地震注意情報は巨大地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まっていることを知らせるもので、発表期間中に発生しない可能性もある。気象庁は「空振りと受け止めず、防災訓練や意識の向上につなげる素振りと捉えてほしい」と理解を求めている。

静岡大の岩田孝仁客員教授(防災学)は「今回の注意情報は事前避難ではなく自宅で地震に備えることが前提。日頃の備えを改めて確認する機会にもなる」と指摘。「自力で避難できない高齢者や乳幼児、障害のある人を支える人が身近にいるかどうかも地域全体で再確認する必要がある」と話す。

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