上野賢一郎厚生労働相は9日の閣議後記者会見で、70歳以上の高齢者が医療機関で支払う窓口負担割合を引き上げる見直しについて、結論は2026年度に出すという考えを示した。「年内に結論を得るという想定はしていない」と述べた。
自民党と日本維新の会は連立政権合意書で、窓口負担の見直しを含めた社会保険制度改革について、今年度に骨子をまとめ、26年度に具体的な制度設計を検討するとしている。この内容を踏まえたかたちで、上野氏は「引き続き高齢者に対する必要な保障が欠けることのないよう丁寧に議論していく」と話した。
社会保障審議会の医療保険部会では、70歳以上の窓口負担について、3割になる「現役並み」の所得水準の見直し▽負担割合が変わる年齢区分の引き上げ▽負担割合の細分化、を軸に見直しを検討している。政府関係者は「今は論点を整理している段階。政府・与党がスムーズに議論に入れるよう、準備をしていく」と説明する。
医療保険改革を巡っては、厚労省は高額療養費制度で70歳以上の外来受診の自己負担を抑える「外来特例」の負担上限額の引き上げや、市販薬と成分や効能が似ているOTC類似薬の保険適用の見直しについて、年内に結論を出す方針。【鈴木理之、寺原多恵子】
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