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<肌だけではなく、「髪にも日焼け止め」をSNSが後押し。医師らの見解は?>
日焼け止めの重要性は知られており、肌の健康のために紫外線対策製品を日常的に取り入れている人も多い。しかし、髪や頭皮の紫外線対策はこれまで見過ごされがちであった。
だが、SNSのインフルエンサーや皮膚科医が、頭部への紫外線被曝のリスクとその予防法を警告するなど、この状況が変わりつつある。
SNSで広がる「髪の紫外線対策」
頭皮用スプレー、ミスト、パウダーなど、髪専用の日焼け止め製品がTikTokやInstagramなどのSNSで急速に注目を集めている。
コスメECサイト「The Quick Flick」創業者でインフルエンサーのイリス・スミット氏は、肌用の日焼け止めだけではなく、髪専用ミストの日焼け止めの使用をフォロワーに呼びかけている。
■【イリス・スミット氏の話題の動画】「髪にも日焼け止めを」 を見る
「日焼け対策は常に私の生活の中で譲れないもので、肌だけでなく髪にも及びます。(...)髪や頭皮も日焼けの影響を受けやすいことを、多くの人は知りません。
紫外線は髪のタンパク質構造を壊し、乾燥やもろさ、切れ毛の原因になります。(...)日光は髪色の退色を早め、ツヤや鮮やかさを奪い、特に染めた髪はくすんだ印象になりやすくなります」
頭皮を守るべき理由
高級理美容製品を取り扱う「Barber Surgeons Guild」社の顧客サービス部長のアレクシア・ドノバン氏は、頭皮の保護は見た目だけではなく、健康の問題だと強調する。
「何よりもまず、頭皮の皮膚がんを予防することが重要です。(...)髪が薄い人は防御する部分が少なく、紫外線の影響を受けやすい。頭皮が見える部分が多いほど紫外線対策が重要になります」
紫外線は炎症を引き起こし、髪のタンパク質を分解し、[毛髪を包み込み、成長を支える皮膚組織の]毛包(もうほう)を弱らせることで薄毛や切れ毛を悪化させる。
ジョージタウン大学メディカルセンターのレイヴァ・カンナ医師も同意する。慢性的な紫外線の曝露は光老化や日光角化症、[悪性黒色腫(メラノーマ)以外の皮膚がんである]非黒色腫皮膚がんのリスクを高めるとして、次のように指摘する。
「髪の毛幹では、紫外線B波(UVB)が構造的にも化学的にも変化を引き起こし、[肌トラブルを防ぐアミノ酸の一種である]システインの酸化、タンパク質の劣化、キューティクルの損傷を招く。これが髪のツヤの喪失、もろさ、切れ毛、色あせにつながります」
髪は「完全バリア」ではない
スキンケアに関する情報を提供するアプリ「OnSkin」の生化学者で美容エステティシャン資格を持つバレリー・アパロヴィッチ氏は、髪が紫外線からある程度は頭皮を守るものの、その効果は限定的で、特に細くて明るい髪や薄毛の人には不十分だとして次のように述べる。
「髪は自然のバリアになりうるものの、完全ではありません。紫外線によるDNAの損傷は頭皮がんの原因になりうるほか、毛包や皮脂腺の機能も損なう可能性があります」
髪の毛幹の紫外線損傷に関する研究は現在も進行中だが、2006年の研究では肌ほどの保護は不要との見方もある。
しかしアパロヴィッチ氏は、強い日差しのもとでは髪と頭皮の両方を守るUV加工の製品の使用を推奨する。
そしてカンナ医師はさらに、毛包レベルでの紫外線曝露は[皮膚のターンオーバーを担う]ケラチノサイト増殖の抑制やアポトーシス(細胞死)を招き、毛周期(ヘアサイクル)を早期休止期に移行させる恐れがあると警告する。
効果的な製品と使い方
専門家は、髪と頭皮を守るには多角的なアプローチが最適だと口を揃える。物理的なバリアとしては、つばの広い帽子やスカーフが最も有効だ。
次に有効なのは、頭皮専用のスプレーやパウダーであり、特にミネラルパウダーの日焼け止めは塗り直しやすく、髪を軽く保つこともできる。
アパロヴィッチ氏は、髪にはスプレータイプ、頭皮にはクリームタイプを勧め、オキシベンゾン、ホモサレート、オクチノキサートなどの内分泌かく乱作用が指摘される有害成分は避けるよう注意を促す。
頻度と量
また、肌と同様に、塗り直しとタイミングも重要だ。ウォータープルーフタイプの製品を選び、日光に当たる15分前に塗布し、2時間ごとに塗り直すのが理想だという。
スプレーは根元から毛先まで吹きかけ、くしで均等に行き渡らせる。クリームは分け目に沿ってマッサージし、頭皮全体で小さじ1~2杯程度が目安となる。
よくある誤解とは?
髪が濃い色や太い人は日焼け止めが不要というのは誤りだ。2023年の研究では、髪色にかかわらず、暗い髪は全波長でより多くの紫外線を吸収し、ダメージリスクが高まる可能性が示されている。
また、曇りの日も油断は禁物だ。紫外線は反射によって間接的に頭皮や髪に届くため、帽子だけでは完全には防ぐことはできないからだ。
髪が危険なほくろを隠し、皮膚がんの早期発見を遅らせる可能性についてもカンナ医師は警告する。多くの患者が自然に髪で頭皮を保護できると考えているが、それは誤っていると述べる。
【イリス・スミット氏の話題の動画】「髪にも日焼け止めを」
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