CBDには人間と同じように犬にもメリットがある?(写真はイメージです) Sol Ponce-Unsplash

<痛みや不安を和らげると人気が高まっているCBD。愛犬にもプラスの効果がありそうだ>

大麻由来の製品が、犬の攻撃性を抑える可能性があることが最近の研究でわかった。

米アリゾナ州立大学の研究チームが、犬の飼い主約5万人から集めたデータを分析したところ、日常的にCBD(カンナビジオール)サプリメントを摂取している犬は、徐々に攻撃的な傾向が減少することが明らかになった。CBDサプリを摂取する犬は、高齢であったり健康上の問題を抱えていたりする場合が多い。

私たち人間の間では痛みや不安、炎症を和らげる効果があるとして人気を博しているCBDだが、愛犬たちにとってもメリットが期待できそうだ。

研究チームは、全米の犬の健康や行動、ライフスタイルを長期的に追跡する「ドッグ・エイジング・プロジェクト」のデータを分析した。学術誌学術誌「フロンティアーズ・イン・ベテリナリーサイエンス」に掲載された研究結果は、CBDを継続的に使用することで、犬の行動上の問題、特に攻撃性が緩和される可能性を示している。

研究の責任者で、アリゾナ州立大学で大麻の安全性などを研究するマックスウェル・レオンによると、数年にわたってCBDを与えられている犬は、当初は、与えられていない犬に比べて攻撃性が高い傾向にあるが、攻撃性が徐々に弱まっていくという。

この変化は、CBDが犬の攻撃性に対する有望な対処法になり得ることを示している。ただ、不安や興奮など他の行動には顕著な変化は見られなかった。

研究で使用した4万7355匹のデータによると、7.3%の犬がCBDやヘンプ(麻)由来製品を摂取しており、そのうち5.8%は毎日摂取していた。

CBDを摂取している犬は、そうでない犬に比べて平均して3歳ほど高齢だった。また、認知症(18.2%)、変形性関節症(12.5%)、がん(10%)といった疾患を抱えている割合も高い。

研究者らは飼い主に対し、犬に対するCBD使用の長期的な効果を確認するためには、さらなる研究が必要であると警告している。テネシー大学のジュリア・オルブライト教授は、「犬の攻撃性の多くは、ストレスや不安、つまり『闘争・逃走反応』に起因している。なぜ攻撃性だけが改善され、他の不安行動には変化がなかったのかはまだ解明されていない」と述べる。

また、今回の研究は飼い主による自己申告に基づいたもので、CBDの用量や製品の配合、与え方についての詳細なデータが不足しているという課題もある。

CBDには胃腸の不調や下痢などの副作用のリスクもあり、愛犬のためにCBDサプリを検討している飼い主は、信頼できるブランドを選び、投与量を注意深く管理することが不可欠だと研究者らは強調している。

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