大学入学共通テストは試験終了後に毎回、X(ツイッター)へユニークな出題や難問などが画像とともに投稿され、受験生らの間で話題になる。ただ、今回からそうした光景にも変化があるかもしれない。大学入試センターが受験生に対し、交流サイト(SNS)への試験問題の投稿を禁じたからだ。
「試験終了後であっても、共通テストの試験問題をSNSに投稿するなど、インターネット上に掲載することはしないでください」
センターが2025年12月に公表した「受験上の注意」に、例年はない注意事項が新たに加わった。センターによると、問題の画像や内容に関するSNSへの投稿が確認された場合は、状況に応じて投稿の取り下げなどを要望する場合もあるという。
もともと試験問題の著作権は、国語の小説など題材となった著作物を除いてセンターに帰属する。試験問題を撮影して画像をSNSに投稿する行為は著作権侵害にあたる可能性があるという。
過去の共通テストや前身となる大学入試センター試験では、終了後にSNSで受験生とみられる人物のアカウントから問題に関する投稿が相次いだ。人気のあるキャラクターに関する出題だったり、意表を突く題材が取り上げられたりすると話題に上りやすい。
19年に実施されたセンター試験の英語リスニングでは、翼や手足が生えたリンゴ、ニンジンなど計4体のイラストに注目が集まった。SNS上では「リスニング四天王」と名付けられ、独創的な姿で人気を博した。
25年の共通テストでも化学で「枕草子」が題材として登場したことを画像とともに紹介する投稿や、「化学で枕草子出ていて国語解いているのかと思った」などの書き込みもあった。
大学入試センターがこうした投稿を禁じた理由は、著作権の問題だけではない。
交通トラブルなどで試験開始時間が繰り下げになった受験生が移動中にSNS上で問題を知ってしまうことも想定される。画像だけでなく文字の書き込みでもテストの公平性や受験生の心理状態に影響を及ぼす可能性があるとしている。
著作権法に抵触しかねない行為について、これまでセンターは事実上黙認してきた。センターの担当者は、過去の投稿も「望ましいものではなかった」とした上で、今回の禁止を「センターに著作権があることを改めて知ってもらうために注意事項に記載した」と説明する。
SNSで投稿が確認されたとしても、直ちに試験結果を無効にするなどの厳しい措置は想定されていない。担当者は「公正公平な試験を実施するため、自身の試験終了後でも試験問題やその内容については載せないでほしい」と受験生の良識に訴えている。【木原真希】
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