千葉県東部の中核病院「東千葉メディカルセンター」(MC、東金市)が2025年度決算で再び債務超過に陥る見通しが強まり、経営難が再燃している。設立団体の東金市などは県や周辺自治体に財政支援を求めているが、見通しは立たず、経営安定化への道筋は不透明だ。
24年度の赤字は約10億円
MCは14年、県立東金病院の閉院に伴い、東金市と九十九里町を設立団体として開業した。横芝光町から勝浦市までの17市町村からなる「山武長生夷隅保健医療圏」で唯一、重篤患者を治療する救命救急センターがある。救急、小児、周産期など地域に欠かせないが採算性に乏しい診療科を担い、経営は苦しい。
24年度は最終(当期)損失が約10億円に拡大して累積赤字は約29億円になり、純資産は約5億円に縮んだ。25年度上半期も6億円を上回る赤字で、下半期も赤字なら債務超過への転落が現実味を帯びる。
MCは開業当初から毎年10億円以上の赤字基調で、15年度から6年連続で債務超過に陥った。18年度に県から30億円の財政支援を、20~23年度には国から新型コロナ対策で約78億円を受けて、一時的に債務超過から脱出。しかし、そうした支援は途絶え、物価や人件費の高騰が重なり、経営は急速に悪化した。
断られた支援
病院の経営をチェックする監事の試算では、24年度の救急医療は4億4000万円の赤字、周産期医療も7000万円の赤字だ。救急の受け入れた患者数は2788人で、そのうち3割が東金市と九十九里町から、残り7割は2市町以外だった。
2市町はMCの運営費として10年間で約26億円を払ったが、近隣の市町村は負担していない。東金市幹部は「他の自治体に支援を要請したことがあるが、どこも財政が厳しく、色よい返事をもらえなかった」と明かす。
このため鹿間陸郎・東金市長と浅岡厚・九十九里町長は昨年11月、県庁を訪れ、救急医療や小児・周産期医療に対する県の補助制度の創設や、他の自治体も負担する仕組み作りを県主導で進めることを要望した。
ただし、県の担当者は取材に対し、県は過去に多額の支援をしており、追加支援は「今のところ考えていない」と説明する。東金市幹部は「東金市と九十九里町だけで赤字は背負えないが、病院をつぶすわけにもいかない。打開策を探りたい」と話す。【高橋秀郎】
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