北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪の延伸計画について、京都府亀岡市の桂川孝裕市長は2日の記者会見で、福井県小浜市から亀岡市を経由して新大阪に向かう「亀岡ルート」を再び誘致すると表明した。国が整備計画を決めた1973年から誘致を始めたが、採算面などで現行の「小浜・京都ルート」に劣るとされていた。今なぜ、再誘致なのか。桂川市長が語った。
亀岡ルートの最大のメリットは、小浜と新大阪を最短距離で結べることだ。工期も建設費も、現行の小浜・京都ルートより削減できる可能性がある。
京都駅に乗り入れる現行ルートは、大深度地下の掘削を巡って沿線住民の納得が得られているとは言いがたい。私は京都駅への乗り入れに反対ではないが、これに拘泥していては全線開通は遠のく一方だ。現に、大学進学などで北陸の「関西離れ」がすでに起きている。このままでは関西全体が地盤沈下してしまう。
新駅の位置として思い描いているのは、亀岡駅と北隣の並河駅の間だ。これならば、丹波亀山城址(じょうし)に影響を与えず高架でつなげられるのではないか。コロナ禍で減便されたままのJR嵯峨野線・亀岡以北の復便にもつながる。それでなくとも府北部は府南部に比べてインフラ整備が遅れ、人口減少と高齢化に歯止めがかからない。新駅は北部振興の起爆剤になるだろう。
亀岡ルートはこれまで南丹市、京丹波町との2市1町で「北陸新幹線口丹波建設促進協議会」を組織し、国に実現を働きかけてきた。できれば今後も足並みをそろえたい。亀岡市は環境先進都市として、亀岡駅前のサンガスタジアムの建設と国の天然記念物アユモドキの生育環境の保全を両立させた経験もある。財政負担も見極めながら、丁寧に議論を積み重ねていく。
関係者は、亀岡ルートをどう考えるのか。
かつて、ともに誘致に動いた京都府南丹市。西村良平市長は「亀岡に駅が出来れば、南丹市への経済波及効果はゼロではない」としつつも、かやぶきの里がある美山地域に「影響が出ないことが大前提」という。現行ルートについては市議会が昨年、「市内での工事着手を認めない」と決議している。
一方、「舞鶴ルート」を推す京都商工会議所の堀場厚会頭は「京都駅に乗り入れないと、経済効果が激減する」との見方だ。京商は、京都市内への次世代型路面電車(LRT)の導入を調査研究中で、京都駅を都市間交通と地域交通の結節点として位置づけていることも背景にある。
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