富士山と五重塔をいっぺんに望める「映えスポット」で人気の「新倉山浅間公園」(山梨県富士吉田市)の桜まつりが今春、中止されることになった。公園を運営する富士吉田市が3日発表した。期間中に20万人以上が訪れるイベントだが、オーバーツーリズム(観光公害)で「受け入れの限界を超えている」と判断した。

 地域の魅力向上と交流人口の拡大を目的に2016年に始まったが、コロナ禍以降は観光客が激増した。富士山と五重塔の絶景に桜が加わるとあって、4月の約2週間の期間中は1日1万人以上が殺到。展望デッキに行くまでに1~3時間の行列ができる事態になっていた。

 地域住民は、交通渋滞やたばこのポイ捨てなどに悩まされてきた。道路に観光客があふれて、通学中の児童が歩道から押し出されるように歩くこともあったという。

 トイレを借りようとした観光客が近くの家のドアを無断で開けたり、庭先をトイレ代わりにしたりするトラブルも報告されていた。市民からは中止を求める声もあがっていたという。

 堀内茂市長は「美しい景色の裏側で、市民の静かな暮らしが脅かされている現実に強い危機感を抱いている。今後は適切な仕組みを構築し、住民の暮らしと観光が共存できる環境づくりを目指す」とコメントした。

 今春はイベントとしての開催をやめるが、4月1日~17日の期間は、安全確保と混乱防止のため、警備員による交通整理、仮設トイレ設置などは実施する。

 市は「周辺道路のきわめて激しい混雑が予想されます。住宅地への立ち入りや無断撮影などのマナー遵守を徹底していただくようお願い申し上げます」と呼びかけている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。