日本高血圧学会は6年ぶりに改訂した2025年版の治療のガイドラインを29日発行しました。

この中で、高血圧と診断する基準の値はこれまでと変わらず最高血圧140以上、最低血圧90以上としましたが、治療の目標とする値については今回、新たに75歳以上の患者で最高血圧を130未満、最低血圧を80未満と、これまでより10ずつ引き下げました。

75歳未満については2019年の改訂で先行して目標値を引き下げていて、国内外の最新の研究で高齢であっても血圧を下げると脳卒中などの予防につながるとする結果が報告されていることから、75歳以上についても引き下げを決めたということです。

ガイドラインでは最高血圧130未満を目標に治療すると、脳卒中や心臓病のリスクが17%下がるとしています。

高血圧の治療が必要な人は国内でおよそ4300万人にのぼり、年間17万人が高血圧が原因の病気で亡くなっていると推計されていて日本高血圧学会は「改訂の内容を広く知ってもらい、患者の個人差も考慮しながら生活習慣の改善や治療につなげてほしい」としています。

医療現場 患者に内容周知し対策を呼びかけ

ガイドラインの改訂を受け、医療現場では患者に内容を周知し対策を呼びかけています。

新宿区にある東京女子医科大学病院の高血圧・内分泌内科の外来では、血圧の目標値の引き下げの対象となる75歳以上の患者に加え、75歳に近い年齢の患者にも医師が改訂の内容を詳しく説明していました。

新しいガイドラインでは血圧を下げるための具体的な対策も示されていて、▽食塩の摂取量を1日6グラム未満とし、カリウムを含む食品を積極的に食べることや、▽毎日30分以上の有酸素運動に加え、筋力トレーニングを行うこと、それに▽家庭で血圧を測定し、アプリを使って管理することなどを推奨しています。

日本高血圧学会理事
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科 市原淳弘教授

「新しいガイドラインでは老若男女、合併症の有無を問わず目標の血圧が統一された。ただ、血圧を下げるとふらついたりめまいがしたりする人もいるので、いきなり下げるのではなく体調や症状をみながら段階的にどこまで下げるべきか主治医と相談して決めてほしい。高血圧を放置すると脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などのリスクが上がるので、上の血圧が130を超えたら気をつけなければいけないと意識して減塩や運動といった生活習慣の改善などに取り組んでほしい」と話していました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。