京都・祇園にある国の登録有形文化財「弥栄(やさか)会館」(京都市東山区)を保存・活用し、5日に開業する「帝国ホテル京都」の内部が2日、報道陣に初めて公開された。

弥栄会館は1936(昭和11)年に竣工(しゅんこう)。祇園の舞妓(まいこ)・芸妓(げいこ)らが自らの花代から少しずつお金を出し合って建てたと伝わる、祇園を代表する歴史的建築物だ。祇園の目抜き通り「花見小路」に面して立ち、隣には京都に春を告げる舞踊公演「都をどり」が行われる祇園甲部歌舞練場がある。
その歴史を伝える最大の見どころが、花見小路から見える南面と西面の外壁だ。弥栄会館に使われていたタイルを傷つけないように取り外して再利用する「生け捕り」を実施。全体の1割ほどにあたる約1万6千枚を再利用したという。

「壁面に目を凝らしていただくと、ところどころにやや黒ずんだ色みのタイルがありますよね。1世紀近くにわたり、祇園の歴史を見届けてきたタイルです」と、帝国ホテル東京総支配人室広報課の山内昌樹さんは話す。
帝国ホテル側が向き合わなければならなかったのが、京都市の厳しい高さ規制だ。建て直す際には「12メートル以下」の規制に従わなければならないところ、歴史的建築の意匠を残し、茶屋が立ち並ぶ祇園の街並みと調和させる条件で、既存の31・5メートルの高さを維持したまま建て直す特例許可を得た。
それでも吹き抜けの大空間を設けるだけの余裕はない。このため、茶室などでよく見られる、ひさしに向かってなだらかな傾斜をつけた「かけこみ天井」を用いて、空間や部屋を広く見せる工夫を施したという。
館内で使用されている木材は、桜、欅(けやき)、栗、杉など国産の銘木にこだわった。客室は全55室だが、そのうち8室が帝国ホテルとしては初となる畳の部屋で、花見小路に立ち並ぶ茶屋と調和する意匠として採用を決めたという。

最高価格はテラス(65平方メートル)つきのインペリアルスイート(128平方メートル)で、1泊1室2人で300万円(消費税・サービス料込み、宿泊税別)。最もお手頃なスタンダードタイプで1泊1室2人で16万4500円からだ。
宿泊者でなくても利用できるのは、2階にあるダイニングレストラン「弥栄」と、カウンターフレンチ「練」、そして、7階のオールドインペリアルバーの3カ所。
「弥栄」では、帝国ホテル自慢のビーフカレー「弥栄カレー」(4700円)や「弥栄バーガー」(4100円)を提供。「練」は1コースのみで、3万8千円。オールドインペリアルバーはカクテルが3千円から。比叡山に上る月をイメージし、京都産の水尾ゆずのシロップやはちみつ、抹茶を用いたジンベースのカクテル「マウント比叡」が3500円。











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