文部科学省がホームページで公開している「生命の安全教育」に関する教材。性的同意に関する記載が盛り込まれた=東京都千代田区で2026年3月31日午後、斎藤文太郎撮影

 文部科学省は31日、子どもの性暴力被害防止のために全国で進める「生命(いのち)の安全教育」の教材について改定した内容を公表した。「性的同意」に関する記述を新たに盛り込んだほか、インターネットやスマートフォンなどを利用して行われる「デジタル性暴力」に関する記述も拡充した。

 小学生向けの教材で「同意の基本」を扱った上で、中学生以上を対象とする教材で性的同意に言及。「いつでも『いやだ』と言える」「何も言わないことは同意ではない」と説明している。教員向けの指導の手引も刷新し、生成AI(人工知能)による性的ディープフェイクなどに触れている。

 2020年度に作成された従来の教材は性的同意に触れておらず、「性暴力とは何かが伝わりにくい」という指摘があった。23年の刑法改正で不同意性交等罪が創設されたことも踏まえ、学校現場や有識者の意見を聞いて改定作業を進めていた。

 従来の教材を活用した生命の安全教育の実施率は23年度で約15%と低迷しており、普及啓発が課題となる。松本洋平文科相は31日の閣議後記者会見で「生命の安全教育は性暴力を防止する極めて重要なもの。すべての子どもたちに内容を学んでもらいたい」と述べた。【斎藤文太郎】

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