高齢者に特化した写真撮影を続ける北川雅也さん=長浜市高田町で2026年3月18日午前11時28分、長谷川隆広撮影

 高齢者にレンズの前に立つことを楽しんでもらおうと、滋賀県長浜市の福祉写真家・北川雅也さん(48)が県内の介護施設に無料で出張し、本格的な写真撮影を行っている。介護福祉士でもある北川さんは「普段と違うワクワクする時間を体験してもらいたい」と意気込む。

 北川さんは元々、長浜市内の写真スタジオに勤務し、学校アルバムや婚礼、七五三などの写真を撮影していた。その後、認知症の祖母の世話などを通じて興味を持っていた介護の世界に飛び込んだ。介護福祉士の資格も取り、デイサービスなどで約10年働いた。

 介護現場では高齢者に頼まれて写真撮影をする機会も多く、その都度、喜んでもらえたという。それならと、2025年5月、写真と福祉の二つのキャリアを生かして、「mono写真工房」(長浜市公園町)を開き、福祉写真家として高齢者に特化した撮影を始めた。スタジオ時代を含めると写真家としてのキャリアは14年になる。

 出張撮影では、介護施設内に簡易スタジオセットを組むため、入所者は外出することなく撮影に臨める。介護の仕事に長く携わってきた経験から、車椅子に乗っているなど障害がある人にも適切に対応できるのが特徴だ。福祉美容の専門家と同行し、メークやスキンケアを施した後、すっきり明るい表情となった高齢者を撮影。会話をしながら、表情が緩んだ瞬間を逃さず写し取る。

 北川さんは、常々、高齢者施設の入所者がメークをし、写真スタジオで撮影してもらう機会がないと感じていた。そのため、写真撮影自体が高齢者にとって一つのレクリエーションになるのではと考えている。「写真を撮ると、みなさんシャンとして顔もしっかり作ってくれる。『こんないい顔に撮ってもらえた』と喜んでもらえたり、面会に来た家族との話題になったりすればうれしい」と期待を込める。

 撮影した写真は見本を作り、本人や家族の希望があればL判写真プリントを1万5000円で販売する。料金には肖像写真撮影料、撮影写真データ、ケアメーク料も含まれる。その時に購入の希望がなくても、データは保存管理し、後日の購入にも対応する。問い合わせは、mono写真工房(070・6508・8903)。【長谷川隆広】

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