多様な食品を食べている高齢者は、食生活が単調な人と比べて心身の健康状態を維持したり改善できたりしているとの分析結果を、国際医療福祉大などの研究チームが国際学術誌に発表した。チームは「継続的に多様な食品を食べることは、フレイル(虚弱)の予防や改善に役立つ可能性がある」としている。
フレイルとは、心身ともに健康な状態と要介護状態の中間段階を指す。チームは2023年、栃木県内の同一自治体にすむ73歳と78歳の計519人に、厚生労働省作成のフレイルのチェックリストと、食品の多様性についての調査票を送付。翌24年にも同じリストと調査票を送付し、2回の調査ですべての回答を得られた353人分を分析した。
食品については、魚介類▽肉類▽緑黄色野菜――など10の食品群について、それぞれ直近1週間に食べた頻度を答えてもらった。
23~24年の間に健康な状態を維持していた人と、フレイルかその一歩手前の「プレフレイル」から健康な状態に改善した人の合計は184人。一方、改善しなかった人は169人だった。
23年時点の食品の摂取状況を基に分析したところ、改善しなかったグループに比べて、健康維持・改善グループが「ほとんど毎日食べる」と回答した割合が有意に高かった食品群は、卵類▽大豆・大豆製品▽海藻類▽いも類▽果物類――の5種類だった。肉類などは有意差はなかった。
また、先行研究に基づき、食品群ごとに「ほとんど毎日食べる」と回答した場合を1点、それ以外の場合を0点とし、4点以上を「食品の多様性が高い」、3点以下を「低い」と判定。23、24年いずれも多様性が高かったグループは、いずれも低かったグループと比べて、健康を維持・改善できている傾向があった。
高齢になってもたんぱく質をしっかり摂取することの重要性は指摘されてきたが、今回の研究は、たんぱく質に限らず、多様な食品を摂取することの重要性を示唆している。
チームの広瀬環・同大講師(理学療法学科)は「海藻や果物など、意識しないとなかなか摂取しにくい食品が健康維持や改善に関連していることが示された。普段のメニューに大豆製品や海藻などを『ちょい足し』して、多様性を高めることがフレイル対策につながるかもしれない」としている。【大場あい】
摂取頻度を尋ねた10の食品群
①魚介類
②肉類
③卵類
④牛乳
⑤大豆・大豆製品(豆腐、納豆など)
⑥緑黄色野菜
⑦海藻類(乾物を含む)
⑧いも類
⑨果実類(缶詰を含む)
⑩油脂類(油を使う料理を含む)
※国際医療福祉大・理学療法学科の資料に基づく
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