
千葉県成田市の木々や畑に囲まれたのどかな風景の中にレストランがある。日本航空の100%子会社「JALアグリポート」(同市)が運営する「DINING PORT 御料鶴(ごりょうかく)」だ。地元農家から借り受けた民家をリノベーションし「古民家風レストラン」をうたうが、JALグループならではの、ちょっとぜいたくな旅気分を味わえる。
定番は「JAL特製オリジナルビーフカレー」(税込み1800円)。成田、羽田、中部の各空港の国際線旅客用ラウンジ(特別待合室)でのみ提供している料理で、ラウンジを利用できるファーストクラスやビジネスクラスなど、特定の旅客しか食べられない「門外不出の味」だ。
試してみると、濃厚でまろやか、かつスパイシー。大きめにカットされた牛肉がいくつも入っていて食べ応えもあり、九州などの遠方から食べに来る客もいるというのもうなずけた。
「御料鶴でフライト気分 機内食ランチ」(同)も外せない。ふたつきのパッケージに入った熱々のメイン料理の隣に小ぶりの丸いパンやサラダなどの副菜が添えられている。一部副菜は店のオリジナルだが、メイン料理、プレート、食器などはJALの機内食と同じものだ。メニューは2種類から選ぶことができるのも機内食らしく、旅心をくすぐる。

店は2020年3月、空港周辺9市町の食材を知ってもらおうと、成田空港から車で約10分の場所に開業した。旬にこだわった9市町の農産品を盛り合わせた一番人気の「御料鶴小鉢膳」(税込み2500円)には店の創意が込められている。
料理の提供だけではなく、機内などでしか手に入らない焼酎「鶴空」やJALグッズ、自社農園や周辺農家で作られた野菜・果物の販売もしている。同店スタッフの高橋和歌子さんは「地元の食材の魅力を発信し、生産者と消費者をつなげることができればうれしい」と話す。【合田月美】
メモ
成田市川上245-219。平日午前11時~午後3時▽土曜午前11時~午後4時・同5時半~9時▽日曜午前11時~午後4時。第2月曜定休。電話0476(36)5272、メール(jalagri-info@ml.jal.com)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。