富士山の夏山シーズンが10日、終わった。夜間の「弾丸登山」や混雑への対策として、今季は静岡県側の3ルートで登山規制を導入した。昨季から規制を始めた山梨県側では、「軽装登山」を防ぐために規制を強めた。

 10日午後2時、山梨県側の吉田ルート5合目に今季新設された鉄骨ゲートが閉じられた。現地で取材に応じた山梨県の三枝徹・富士山観光振興監は「大きなトラブルもなく無事に閉山できた。ひと安心している」と話した。

 山梨県は今季、ゲートが閉鎖する時間を2時間早め、午後2時から翌日午前3時までとし、通行料を4千円に引き上げた。

 タンクトップや短パン、サンダルで登ろうとする登山者には山梨県職員の「富士山レンジャー」が入山を拒否できるよう権限を強化。県によると、シーズン中に1144人に指導し、うち9割が外国人だったという。満足な雨具を持たない人への指導が9割近くを占めた。昨季の規制で激減した「弾丸登山」はさらに減ったとみられ、「『弾丸登山』は絶滅したと言っていいと思う」(山小屋関係者)という。

 一方、静岡県側の3ルート(富士宮、須走、御殿場)も10日午後5時、5合目などにバリケードが設営され、冬季閉鎖に入った。静岡県側でも「弾丸登山」が減るなどの効果が表れているという。

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