愛知県江南市役所=2025年9月11日午後0時5分、川瀬慎一朗撮影

 愛知県江南市立の小学校で2022年、当時の男性教頭が校長の指示で児童や保護者に無断で隠しカメラを設置し、児童の様子を撮影していたことが市教育委員会などへの取材で分かりました。学校側は「防犯目的」と説明しますが、保護者からは「知らぬ間に撮影され気持ち悪い」といった声が上がっています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「小学校での隠しカメラ設置」を解説します。

Q どうしてカメラを設置したの?

A 市教委が確認したところ、学校側は「特定の児童の靴へのいたずらが頻発していたため、防犯目的で設置した」と説明したそうです。

Q カメラはどこにあったのかな。

A 火災報知器の形をした隠しカメラが、特定の児童の靴入れや廊下が映るように天井に設置されていました。

Q 児童や保護者には事前に説明があったの?

A ありませんでした。「トラブルの状況がつかめた」として4カ月後に取り外すまで無断で撮影が続けられていました。

Q 市教委はこの対応をどう考えているの?

A 市教委の担当者は「児童や保護者に目的や期間などを事前説明すべきで、適切ではなかった」と認めています。

Q 盗撮にはならないの?

A 市教委は「校長からの指示があり、個人的な使用ではないので『盗撮』とは認識していない」と説明しています。

Q 専門家の考えは?

A 名古屋大の中嶋哲彦名誉教授(教育行政学・教育法学)は「同意なく不特定多数の児童を撮影して個人情報を収集しており、学校への信頼も損なわれる。児童に説明していない以上、いたずら抑止にもなっていない。別の目的で使っていたと疑われても仕方ない」と指摘しています。

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