
敬老の日の15日、各地の動物園や水族館で生き物たちの長寿を祝うイベントがあった。長寿の秘訣(ひけつ)は人間と同じく、食事や睡眠、適度な運動という。飼育員たちが日々、体調を管理している。
和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」では15日、国内最高齢の55歳と2番目の51歳と推定されるバンドウイルカの雌2頭におもちゃをプレゼントした。
おもちゃは「フープ」と「浮き」。フープには「いつまでも元気でモリモリ魚を食べてね。目指せ60才!!」と書かれていた。2頭はくわえたり、胸びれに引っかけて泳いだりして遊んだ。
アドベンチャーワールドによると、バンドウイルカの平均寿命は40~50歳と言われ、飼育下では50歳を超えることもあるという。2頭とも1978年の開園当初から飼育している。
飼育担当者は「今日も健康で元気な様子を見せてくれてうれしい。これからも元気に過ごしてくれるように、日々の健康管理に努めます」とコメントした。
東京都日野市の多摩動物公園では10月7日まで、長生きの秘訣を紹介したパネルをそれぞれの飼育場所の前に掲示している。
パネルには「高齢個体のケアには運動が特に重要」「食べものの好き嫌いが多いため、採食量が少なくならないようにしている」「暑い日や寒い日の夜は、空調のきいた部屋で休んでもらう」などと工夫が紹介されている。

多摩動物公園には、チンパンジーの雌「ペコ」(推定64歳)、アジアゾウの雄「アヌーラ」(推定72歳)、オランウータンの雄「キュー」(推定56歳)といった国内最高齢の動物が飼育されている。
大阪府池田市の五月山動物園には、36歳の雄のウオンバット「ワイン」がいる。飼育下のウオンバットの最高齢として、ギネス世界記録にも認定されている。
このワインには「奇跡」によって保護された過去がある。
89年、オーストラリア・タスマニア州での交通事故で、死んだ母親の袋の中から救出された。保護施設で人工的に育てられて成長。90年に動物親善大使として、タスマニア州ローンセストン市の姉妹都市である池田市の五月山動物園にやってきた。
ウオンバットの平均寿命は、飼育下では20年だが、野生だと天敵や交通事故との遭遇などで約5年と短い。
五月山動物園はリニューアル工事に伴って2024年6月から閉鎖中で、27年度中に開園予定となっている。ウオンバットの様子は現在、ライブカメラで24時間配信している。
飼育担当者は「ワインをはじめ、敬老の日を迎えた高齢の動物たちが元気に過ごしてくれたことを感謝しています。これからも穏やかな日々を過ごせますように」とコメントした。【遠藤浩二】
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