(16日、世界陸上東京大会)
男子走り高跳びの禹相赫(ウサンヒョク)(29)=韓国=はあきらめなかった。陸上の世界選手権(世界陸上)東京大会16日の決勝は2回失敗した2メートル34を最後の1回で跳び越えた。「テンションが上がると自然と笑顔になる。東京のたくさんの声援が力になった」。銀メダルを獲得し、また笑った。
オリンピック(五輪)初出場となった2021年東京五輪で4位入賞を遂げ、22年世界選手権で銀メダルをつかみ、23年ダイヤモンドリーグ・ファイナルを制した。韓国陸上界の快挙を続けて英雄となり、「スマイルジャンパー」と称される。
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「Why I stand」
スポーツの国際大会には各地からさまざまな境遇の選手たちが集まる。彼らの胸に秘められた思いに迫る。
笑顔の裏に乗り越えてきた苦難がある。地元メディアによると、子どもの頃、交通事故に巻き込まれ、右足を負傷した。左足より約1・5センチ小さく、最初はバランスをとることも難しかったという。身長188センチはこの種目の欧米勢には劣る。
「改善するためにトレーニングをたくさん積んだ。努力は決して裏切らない」
5年前は足の大けがで選手生命の危機に陥った。自暴自棄になって練習を投げ出して、酒におぼれたこともある。「お前は世界的な選手になれる」とコーチに諭され、競技場に戻った。
走り高跳びと人生は似ている。「数多くの失敗を重ねてきた。障害があっても、どんな困難に直面しても、ただ前を向いて進んできた」。次の壁も跳び越えていけると信じている。
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