年末年始に花園ラグビー場で開催される全国高校ラグビーフットボール大会。その出場権を争う大阪地区予選を前に9月15日(月・祝)、大阪府ラグビーフットボール協会によるシーズン開幕試合が行われました。大阪を代表する強豪校4校が集結し、第2試合では、ともに全国制覇の経験をもつ大阪桐蔭と常翔学園が激突しました。

【大阪桐蔭】ライバル常翔学園を31対14で下す

 3地区に分かれて行われる大阪府予選では、両校は違う地区に振り分けられるため直接の対戦はありません。ただし、全国での戦いを見据えるうえでは貴重な機会となる今回の対決。

 試合前から独特の緊張感が漂う中、先制したのは大阪桐蔭でした。開始1分、常翔陣内10メートルライン付近のラインアウトから攻め込むと、狭いスペースを上手くついて最後はSO矢守勇生選手がトライ、ゴールも決めて7点をリードします。

 しかし、常翔学園の白木繁之監督が「(先制を許した場面のように)簡単にやられてしまう甘い部分はあったが、全員で前を向く常翔らしいいところも見せてくれた」と振り返ったように、その後は、常翔学園が持ち味の縦への強さを生かして大阪桐蔭を押し込んでいきます。

 それでも、さすがは大阪桐蔭。自陣の22メートルラインの内側まで何度も攻め込まれながらも勝負所をわきまえた集中力の高いディフェンスで、常翔学園に得点を許しません。

 逆に大阪桐蔭16分、常翔学園のペナルティーで再び常翔陣内に攻め込むと、チャンスを確実にものにします。今度はFW陣の力強い縦突破の連続からFL川西正樹選手がタックルを振り切ってトライ。この後さらに1トライを加えて、前半を19対0と大きくリードして折り返します。

 サイドのかわった後半、得意のスクラムを起点に懸命の反撃を試みる常翔学園。しかし、ここでも大阪桐蔭の厚い壁が立ちふさがりました。自陣からでも思い切って攻めようとする常翔学園に対して、素早く規律のとれたディフェンスでプレッシャーをかけて反撃を許しません。

 そして後半4分、相手ボールを深い位置で奪ってチャンスに結びつけると、素早い仕掛けからNO8の竹崎司選手がトライ。常翔学園の反撃ムードを断ち切る貴重な一撃で、大事な時間帯での得点で試合の流れを完全に引き寄せました。

 そして後半9分、強引に仕掛けてくる常翔学園から再びペナルティーを奪って敵陣深くまで攻め込むと、ラインアウトからのモールを押し込んでHO高松和久人選手がトライ、ゴールも決めて31対0として勝負を決定づけました。

 常翔学園・白木監督が「敵陣で(落ち着いて攻撃をしていたら)スコアーできるところをとり急いで、簡単にボールを扱ってしまった。完全に自滅。最後の10分間の粘りをずっと見せることができれば、力的には拮抗したラグビーになっていたと思うが・・」と振り返ったように、この後、常翔学園も最後まであきらめない粘り強さを見せて、2つのトライを返しますが反撃もここまで。

 終始、落ち着いて試合を進めた大阪桐蔭がライバル常翔学園を31対14で下して花園の地区予選を前に自信となる勝利をつかみました。

大阪桐蔭・手崎颯志主将「力のある相手にいいチャレンジはできた。目標は全国1位」

 試合後、大阪桐蔭・手崎颯志主将は「大阪同士なので絶対に負けられないという強い気持ちで試合に入った。常翔学園さんのような力のある相手にこだわって練習してきた接点では、いいチャレンジができたと思う。ただ(メンバーが変わったとはいえ)終盤に得点を許したのは反省点。目標は全国1位、まだまだです」と語りました。

 敗れた常翔学園・白木監督も「ミスが多く出て自滅したゲームだったが、練習でやってきたことがいくつか出せたので自信にはなった。ただそれをもっと磨いていかないと(大阪桐蔭のようなチームには)勝てない。成長していくためにも一戦一戦みんなが力を出し切れるチームにならないと」と収穫とともに今後への課題を口にしました。

 大阪を代表する両雄の対決。この試合を経て両チームがどう進化していくのか、第1試合で大阪朝高に76対0と完勝した東海大大阪仰星とともに、シード校として11月から参戦する大阪地区予選、その後へと続く戦いぶりに注目です。

大阪府ラグビーフットボール協会シーズン開幕試合(結果)

東海大大阪仰星  76-0 大阪朝高

大坂桐蔭  31-14 常翔学園

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