
このキャンプは、日本選手で唯一、NBAのチームと本契約を結んでいる八村選手が、世界で戦える選手を育成しようと、シーズンオフの期間を利用して中高生を対象に開催されました。
名古屋市で行われたキャンプでは、八村選手が会見し「バスケが好きになったきっかけは楽しかったからで、つらいことがあっても頑張ろうと思うことができた。大変な中にも楽しさがあることを学んでほしい」と呼びかけました。
富山県で生まれた八村選手は、父親がアフリカのベナン出身で、仙台市の高校を卒業したあと、アメリカの大学でプレーしていました。
今回の選考では両親の国籍が異なる選手なども選んだということで「国籍が違うことでつらいことも多かった。いろいろなことに挑戦して、経験を通じて理解につながる」などと訴えていました。

このあと3300人余りの応募者から選ばれたおよそ150人の中高生に対して3時間ほどかけて指導し、ゴール下でのボールさばきや相手選手との距離の取り方などをアドバイスしました。
参加した中高生は、憧れの選手からの直接指導に緊張した様子を見せながらも、プロの技術を少しでも身につけようと取り組んでいました。
このキャンプは20日まで行われます。
参加の生徒「本場のスキル体感でき 勉強になった」
八村選手から直接指導を受けた中高生のうち、埼玉県から参加した中学1年の伊坂寧音さんは「テレビで見る八村さんより身長も大きくて、とても格好よかったです。八村さんにもらったアドバイスをこれからしっかりやっていきたいです」と話していました。
八村選手の出身中学、富山県の奥田中学校から参加した、中学3年の中野友智さんは「八村選手はバスケを深く知るきっかけになった人で、憧れの存在です。アメリカの本場のスキルを体感できて勉強になりました」と話していました。
栃木県から参加した高校2年の吉川輝さんは「身長が高いのはもちろんですが、ドリブルやシュートも繊細なところがあって、生で見ることができてよかったです。あと1日あるので、もっとドリブルをうまくなってチームに還元したいです」と話していました。
八村 協会などへの発言「日本が強くなってほしいと思っている」
八村選手はこれまで日本バスケットボール協会の方針に「プレーヤーファーストではないと感じる」と述べたほか、日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチの続投についても「残念だ」などと発言していました。
18日のキャンプの会見で報道陣から「日本バスケのために厳しいことばを述べてきたのはなぜなのか」と質問されたのに対し、八村選手は「最近、協会のやり方、方針が違うのではないかと指摘しているだけ。僕は厳しいというより、日本のバスケに対してどう思っているのか、よくなってほしいと思っていることが僕の心からの思いで、それ以外は何もない。ただ単にバスケで日本が強くなってほしいと思っているだけ」などと話しました。
協会はこれまでにコミュニケーション不足があったことを受け止め、協会内に海外でプレーする選手に対応する窓口となる責任者を新たに置いてコミュニケーション方法の見直しを図るほか、アスリート委員会を活性化させ、選手の声を受け取る仕組み作りを進める考えを示しています。
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