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今年はプロ野球の新人王争いが非常に熾烈(しれつ)です。特に熾烈なのがパ・リーグ。その有力選手をヒロド歩美キャスターが取材しました。

新人離れした活躍 急成長の秘密

今年8勝、防御率2点台を誇る日本ハムのプロ4年目・達孝太投手(21)。ショートで安定した力を見せる楽天のルーキー・宗山塁選手(22)。2ケタホームランの西武のルーキー・渡部聖弥選手(23)と大混戦のパ・リーグ新人王争い。そこに猛烈な追い上げを見せる選手がいます。

ロッテのルーキー・西川史礁選手(22)(左) この記事の写真は5枚

ロッテのルーキー・西川史礁選手(22)です。6月以降の打率はなんと3割超え。二塁打の本数は27本で、リーグでトップに立っています。

新人離れした活躍を見せる西川選手の急成長の秘密に迫りました。

ドラフト1位でロッテに入団し、開幕スタメンを勝ち取ると、そこから5試合連続ヒット。輝かしい未来が待っている…そう思ったのも束の間、逆風が吹き荒れます。

17打席連続ノーヒットで4月12日に2軍落ちすると、さらに5月にも2度目の2軍落ちとなり、プロの壁にぶち当たっていました。

「野球を考えるのが嫌になるくらい苦しかった」 「(Q.当時の課題はどう分析していますか?)完璧に捉えようとし過ぎて、詰まるのを恐れて、何でも振りにいっていた。難しい球に手を出して打ち取られたりとか、野球を考えるのが嫌になるくらい苦しかった」

詰まることを怖がって打ち急ぎ、自分の打撃を見失っていたのです。まさにどん底。そんな悩めるルーキーに、打撃改造を提案した人物がいました。当時2軍監督だったサブローさんです。

「詰まっていい」異例の打撃改造

ロッテ・サブローヘッドコーチ

サブローさんが西川選手にかけたのは、驚きの言葉でした。

「詰まっていい。詰まるのを怖がるなら、詰まってヒットにしよう。それができればミートポイントは近づく。選球眼も良くなる。バットもいっぱい折れる。(内野と外野の)間に落ちるようになる。それが最高のバッティング」 シーズン中では異例となる打撃改造

詰まることを恐れずボールを引き付ける。シーズン中では異例となる打撃改造です。

「『今年はいないものと思ってくれ』『それくらい時間はかかる』と話をしていた。打球速度も速い。スイングスピードも速い。この子ならできるかも。ティー打撃で(トスを)上げていても、史礁はモノが違う」

すると、1カ月も経たない6月22日のDeNA戦、西川選手は早くも答えを示します。「最高のバッティング」と言われたポテンヒットを、なんと一日で3本。苦しんでいた西川選手はそこにはもういませんでした。

「詰まっていいという思考に」 「詰まっていいという思考になったのが、打率向上のきっかけになった」

解き放たれた西川選手はここから急上昇。ボールを引き付けられるようになったことで、選球眼も変化球への対応力も大きく向上。一躍、新人王候補に躍り出たんです。

「あの期間がなかったら自分自身今があるか分からない。(サブローさんに)すごく感謝しています」
「(Q.今、見据えているものは?)新人王です」 広告 規定打席に到達 打率はリーグ6位

規定打席に到達 打率はリーグ6位

先月30日の楽天戦、新人王争いをするロッテ・西川選手は1回の第1打席。今シーズン116本目のヒットをライト前に放ちます。

そして、8回の第4打席はキャッチャーフライ。先月30日、西川は1安打に終わるものの、現時点での規定打席に到達。打率はリーグ6位と新人王へ突き進みます。

(「報道ステーション」2025年9月30日放送分より)

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