毎年、年末年始に東大阪市の花園ラグビー場で開催される全国高校ラグビーフットボール大会。9月28日(日)、全国の先陣を切って、南・北北海道大会の決勝戦が、札幌市の大和ハウスプレミストドームで行われ、聖地に立つ代表校が決定しました。
<立命館慶祥vs札幌山の手>前半は鍛え上げられた走力と展開力で立命館慶祥がペースを握る
午前11時から始まった南北海道大会の決勝は、3大会ぶり2度目の花園出場を目指す立命館慶祥と3連覇で23回目の出場を狙う札幌山の手の対戦。序盤は、準決勝でライバルの函館ラ・サールを下した勢いをそのままに、立命館慶祥がペースを握ります。
SH・木村太一選手を中心に、持ち味のテンポよくボールを動かしていくラグビーで、札幌山の手のディフェンスを翻弄すると、開始1分にWTB・松橋佑朔選手がトライ。さらに12分、今度は敵陣22mライン付近のラインアウトからモールをつくって押し込むと、そこから素早く展開して最後はWTB・浅野大樹選手がトライ。
札幌山の手を想定して、徹底的に走力と展開力を鍛え上げてきたという立命館慶祥。この後、17分にも自陣から15人が一体となった鮮やかな連続攻撃を仕掛け、CTB・和田弘毅選手がトライ。19対0と大きくリードを奪います。
札幌山の手が反撃開始 5点差まで詰め寄り前半終了
一方、春・夏とここまでの花園予選と道内では圧倒的な強さを誇ってきた札幌山の手。この後、ディフェンスを整備して立命館慶祥の勢いを食い止めると、優位に立つスクラムを軸に、自信を持つFW陣の推進力をいかして反撃に転じます。
20分には、FWで圧力をかけて敵陣深くまで攻め込むとラインアウトからのモールを一気に押し込んでトライ。28分には、FW陣の執拗な連続攻撃から、最後はチームのエースでニュージーランドからの留学生のLO・タレマイトガウルイラケバ選手が中央にトライ。FB・赤木大誠選手が確実にゴールも決めて19対14と5点差まで詰め寄って、前半を終了しました。
立命館慶祥・田尾主将「札幌山の手を倒すことだけ考えて練習してきた」
サイドの変わった後半は、まさに一進一退の攻防。両チーム無得点の時間が10分以上続きます。試合の流れがどちらに傾くのか、我慢比べの展開の中で、先にチャンスをつかんだのは札幌山の手でした。
後半14分に立命館慶祥の反則を誘い、トライラインまであと僅かまでに攻め込みます。しかし、ここで立命館慶祥が驚異の粘りをみせます。トライラインを背にした場面で相手ボールを奪って逆襲に転じます。そして17分、自陣から休まず攻撃を仕掛けると、SO・田尾公謙選手のパスを受けた松橋選手が、札幌山の手ディフェンスのギャップを上手くついて50m以上を走り切ってトライ。ゴールも決めて26対14として一気に勝負の流れを引き寄せました。
こうなると、立命館慶祥の勢いは止まりません。直後のキックオフから集中した動きで札幌山の手陣内の深くまで攻め込むと、素早い仕掛けから最後はNO8・宮本太進選手が左隅に飛び込んでトライ。ゴールも決めて33対14として勝負を決定づけました。
田尾公謙主将が「この1年間、(札幌)山の手を倒すことだけを考えて練習してきた。ここから花園初勝利に向けて再スタートしたい」と話した立命館慶祥。強力FWを誇る札幌山の手を相手に、最後まで自慢の走力と集中力を見せて、全国一番乗りで3年ぶり2回目の花園への出場権獲得です。
<遠軽vs中標津>遠軽・吉田選手が圧巻の3連続トライ
南北海道大会に続き行われた北北海道大会の決勝は、3年連続の花園を狙う遠軽と8大会ぶりの聖地への復活を目指す名門・中標津の対戦。
序盤から、遠軽が中標津を圧倒します。開始直後、FB・佐藤満輝選手の突破で一気に敵陣深くまで攻め込むと、NO8・吉田琉希也選手が力強い突破をみせて中央にトライ。ゴールも決めて7点をリードします。
さらに9分、敵陣22mライン付近でボールを受けた吉田選手が、切れ味鋭いステップでディフェンスをかわして右中間にトライ。1、2年生の時には、BKで花園への出場を果たしていた吉田選手は14分、再び敵陣22m付近でボールを受けると、今度は、タックルを引きずりながら左中間にトライ。待ち味の縦への推進力はもちろん、非凡な走力もみせました。
圧倒的な存在感をみせる吉田選手の3連続トライで、遠軽が21対0と大きくリードを奪います。
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