■MLB ワールドシリーズ第3戦 ドジャース 6-5 ブルージェイズ(日本時間28日 ドジャー・スタジアム)

ドジャース・大谷翔平(31)が本拠地でのワールドシリーズ(WS)第3戦、“1番・DH”で先発出場し、4打数4安打3打点5四球。3回にはワールドシリーズ2号、今プレーオフ7号、松井秀喜氏の日本選手最多タイに並ぶプレーオフ通算10号。そして、7回には1試合2本塁打となるWS3号、日本選手最多となる通算11号、全9打席出塁はPO史上初となった。チームは延長17回に劇的サヨナラ勝ち、ドジャースが連勝で2勝1敗となった。

敵地から始まったワールドシリーズ、第1戦は投手陣が崩壊し、11失点で大敗。しかし、第2戦はその空気を打ち砕き、山本由伸(27)が105球の熱投で完投勝利、1勝1敗で本拠地に戻ってきた。

始球式には“トルネード投法”で活躍したドジャースのレジェンド・野茂英雄氏(57)が登場、キャッチャーは2試合連続完投を果たした山本由伸(27)が務め、本拠地は試合前から大熱狂となった。

前日での会見では「状態的には少しずつ上がってきている。事前の準備と後は打席に入る心構えは1打席1打席大事にしながらいきたい」と話した大谷。ブルージェイズの先発はサイヤング賞3度受賞のレジェンド、M.シャーザー(41)、リーグ優勝決定シリーズでは監督がマウンドに向かうと鬼の形相で追い返すなど、まさに“マッド・マックス”というニックネームがふさわしい。

1回、ゲームの流れをつかむ大事な大谷の第1打席、カウント0-1から内角低めのカーブを引き付けてライト線へのツーベースで出塁、しっかりとリードオフマンの仕事をこなした。しかし、経験豊富なシャーザーは2番・M.ベッツ(33)を浅いライトフライ、3番・F.フリーマン(36)をサードフライ、4番・W.スミス(30)を空振り三振と大谷を2塁から進めず無失点。

それでも2回、1死から6番・T.ヘルナンデス(33)、シャーザーのスライダーを完璧に捉えて、レフトスタンドへプレーオフ5号ソロ、本拠地ファンも大熱狂の先制アーチ。大谷もベンチで絶叫し、T.ヘルナンデスを迎えて力強く握手した。

3回には大谷の第3打席、この打席でシャーザーの全ての球種を確認し、カウント1-2からの6球目、内角高めのストレートを完璧に捉えて、弾丸ライナーでライトスタンドへ。打球速度163.3キロ、飛距離118.6m、角度32度。WS2号、今プレーオフ7号のホームラン、大谷は通算10号、松井秀喜氏の日本人通算最多記録に並んだ。

大谷のホームランで追加点を奪ったドジャースは4回、無死1塁で4番・ビシェットの打球をセカンド・T.エドマン(30)が併殺打を焦り、打球から早めに目線を外してしまい痛恨のエラー。1死一、三塁とピンチを迎えると、6番・A.カーク(26)が左中間スタンドへプレーオフ5号となる逆転スリーラン。ドジャースはミスから逆転を許してしまった。

走者がいなくなったが、グラスノーは立ち直れず、連打でまたも1死一、三塁とピンチを招くと、犠牲フライで追加点、2対4とリードを広げられた。

2点を追うドジャースは5回、先頭の8番・E.ヘルナンデス(34)がヒットで出塁、1死一塁で大谷の第3打席、ここでブルージェイズベンチはシャーザーを降板、納得の表情でシャーザーもベンチに下がった。ブルージェイズは2人目、M.フルハーティ(24)をマウンドへ。

大谷に対し、5球連続スイーパーでフルカウント、そして、6球目、スイーパーを引き付けて逆方向へ弾き返して詰まりながらも左中間へタイムリーツーベース。大谷は3安打2打点、3対4と1点差に詰め寄った。さらに2死二塁で3番・フリーマンも1塁線を破るタイムリーツーベース、ドジャースが4対4の同点に追いついた。

5対5の同点で迎えた8回、1死一、二塁のピンチでドジャース・佐々木朗希(23)がワールドシリーズ初マウンドへ。途中出場の1番・T.フランス(31)は98マイル(158キロ)でバットを折ってサードゴロ。

2死二、三塁で迎えるは2番・N.ルークス(31)、3塁に走者を置いてもスプリットを連投、4球連続スプリットでカウント2-2と追い込むと、最後もスプリット。ピッチャーゴロにグラブを伸ばしてキャッチ、1塁方向に走りながら大事にトス、やや低い送球となったが抑えた。佐々木は両手を両ひざに付けて、ホッとした表情を見せた。

9回のマウンドにも上がった佐々木、先頭の3番・ゲレーロJrをライトフライ、その後、四球を許し、5番・D.バーショ(29)の打球は1塁手のF.フリーマン(36)のミットを弾いたが、2塁手のT.エドマン(30)が素早くカバー、3塁を狙った走者を落ち着いて刺して佐々木を助けた。佐々木は1回2/3、29球を投げて、被安打1、奪三振0、四死球2、失点0のデビューとなった。

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