強豪として知られる熊本県立大津高校のサッカー部で2022年、当時1年生部員だった男性がいじめを受けた問題で、第三者の調査委員会が31日、全裸で土下座を強要するなど、先輩部員によるいじめがあったと認める報告書を公表した。部員の数が多いため、チーム内の序列による不満がいじめに結びつくリスクが高いとして、強豪校の部活動の構造的な問題にも言及した。
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浦本清隆校長が被害にあった男性に報告書の内容を説明し、改めて謝罪した。
報告書によると、男性は22年1月、全国高校サッカー選手権に出場したチームの応援に行った際、都内の宿泊先で被害を受けた。上級生に呼び出され、「あだ名を言っている」などと責められ全裸で土下座をさせられた。その様子をスマートフォンで撮影された。男性は精神的ショックから体調を崩して学校を休みがちになり、23年に転校した。
報告書は部が200人近い部員を抱えるなかで、部員間の「いじり」がいじめにつながるという意識を指導者らに持たせる機会が不十分だったと指摘した。
県教委は23年10月、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」にあたると発表。弁護士らによる第三者委員会が24年1月から関係者への聞き取りなどの調査を進めてきた。
一方、熊本地検は24年8月、全裸で土下座を強いたとして、当時の2年生2人を強要罪で在宅起訴し、公判中。2人は「全裸と土下座は強要していない」などと起訴内容を全面的に否認している。
大津高サッカー部は全国大会の常連で、問題が起きた22年の選手権では準優勝。プロや日本代表選手も輩出している。
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