■第35回奈良市陸上サーキット(24日、ロートフィールド奈良)

男子100mに出場予定だった山縣亮太(33、セイコー)は、右足の違和感により棄権。「自分の全力を出して走りたかったんですけど、まだこれからもレースが続くので、今後のことを考えたときに今は無理できないなということで」とレースを見送った理由を明かした。

東京世界陸上(9月)の出場資格を得る上で、記録の有効期間が8月24日までとなっており、この日が最終日だった。日本代表入りは叶わない形となったが「自分が言うまでもなく若い世代の人たちがすごく活躍して、層も厚いですし勢いもあると思います。彼らが東京をきっかけに新しい歴史を作ってくれるだろうと信じて、応援の気持ちでいきたい」と思いを話した。

16日に福井の9.98スタジアムで行われた『アスリート・ナイト・ゲームズ』で、10秒08の好タイムを出して調子を上げていた。今後は9月、10月と出場を予定しているレースがあるとし「自分自身としてはシーズンベスト、それから9秒台っていう。今年中に出せたらいいな」と前を向いた。「この体が無理だっていうところまで、しっかり、親からもらった身体なので。しっかり頑張りたい」とまだまだ現役として続けると意気込んだ。

「(世界陸上の)代表をかけて最後まで走り切れたというのは、自分の自信にもなるし、でもすごく充実感がある時間だった」と今季のこれまでのレースを振り返り、「本当に今シーズンはもう駄目だって思ったところからのスタートで。そういう出発点からここまで(10秒0台まで)戻してこれたので、そこは素直に自信にしたい」と手応えも口にした。

8年ぶりに9秒台を出した桐生祥秀(29、日本生命)の走りについて「素直にすごい」と称え、「スプリンターにとって9秒台っていうのは、特別なものが僕はあると思っている」と自身も挑戦する思いを持ち続ける。

10秒0台を出せたことについては「ただその走りも自分の中ではやっぱり完璧ではないと思ってるので、走りの内容を1試合1試合良くしていって、今年33(歳)、来年は34(歳)になる年なんですけど。34歳が9秒台出したらカッコいいなっていうのをモチベーションに頑張っていきたい」と笑顔をみせながら、さらなる高みを見据えた。

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