女子800m日本記録保持者で、東京世界陸上(9月)の代表入りが濃厚となっている久保凛(17、東大阪大敬愛高)が27日、長野の菅平で合宿を公開した。

代表選考会の日本選手権(7月)では、決勝で1分59秒52の日本新記録で連覇を果たし、昨年マークした自身の日本記録を0秒41更新した。世界陸上の参加標準記録(1分59秒00)にはわずかに届かなかったが、ワールドランキングで代表入りが濃厚となった。

この日、世界陸上に向けて高地でのトレーニングを公開し、酸素の薄い中で走り込み、スタミナと心肺機能を鍛え上げた。「初めてシニアの舞台で、日の丸を背負って世界で戦うことができるので、まず出場できるってことがすごく嬉しい」と迫る大舞台に気持ちが高まる久保は、「初めてだからこそ挑戦して走ることができると思うので、自分の長所を生かしたレースをして、ファイナルに残れるように頑張りたい」と世界陸上では日本勢初のファイナル進出を目標に掲げた。

シーズン序盤から多くのレースに出場してきた久保は、史上初の3連覇を達成したインターハイ(7月28日)後には、左足ふくらはぎの軽度の肉離れで練習できない期間もあったという。「間に合うかなっていう不安もあったんですけど、今はもう練習もすごくできて、調子も戻っている。不安っていうよりも楽しみっていう方が多い」と回復に向かっているとし、今回の合宿で手応えも感じているようだ。

「まずタイムは自己ベストを出して絶対に終わる」と大舞台での日本記録更新を見据え、「どんな選手にもしっかり食らいついて、自分のベストを出す。1本でも多く走れるようにしたい」と力強く意気込んだ。

■久保凛(くぼ・りん)
2008年1月20日生まれ、和歌山・串本町出身。潮岬中~東大阪大学敬愛高。身長168.1cm。小学6年生までは、サッカークラブに所属し、中学から本格的に陸上競技を開始。3年時に全日本中学陸上女子800mで優勝。24年日本選手権女子800m決勝でも2分3秒13で初優勝。7月15日の関西学連・長距離記録会(奈良・橿原公苑陸上競技場)で1分59秒93の日本新記録をマーク。05年に杉森美保が記録した2分00秒45を上回り、19年ぶりの記録更新。今年7月の日本選手権では1分59秒52の日本新で連覇を果たした。

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