9月13日に開幕する東京2025世界陸上へ向け、大会スペシャルアンバサダーを務める織田裕二さんが、国立競技場で男子100m代表の桐生祥秀選手(29、日本生命)から大会に臨む意気込みを聞いた。織田さんから「ズバリ、目標は?」と聞かれ「目標はタイムです」と答えた桐生選手。男子100mでコンマ1秒の戦いに挑む桐生選手の思いに織田さんが迫る。

織田裕二:8年ぶりですか、9秒台。

桐生祥秀:そうですね、8年ぶりですね。

桐生は、7月5日の日本選手権で5年ぶりに優勝、8月3日に行われた富士北麓ワールドトライアルの予選で9秒99を記録した。17年9月に日本人初の9秒台となる9秒98をマークして以来、実に8年ぶりに9秒台をマーク。世界陸上の参加標準記録(10秒00)も突破し、100mでの日本代表の座を射止めた。個人種目での代表は、19年ドーハ大会以来6年ぶりとなった。

織田:何回目?世界陸上は。

桐生:世界陸上は4回目です。

織田:どうですか?今回は。

桐生:今回はチケットの売れ行きもいいって聞きますし、ここが3階席まで埋まる光景は一回も見たことないので。

織田:100mは即完売です。100mとやり投は一瞬だったそうです。満員になりますよ。

桐生:満員になる会場を見られるっていうのもいいですよね。

織田:そうだよね、陸上を日本でやって満員になる大会ってなかなかないよね。でも、どっちが好き?

桐生:満員の方が好きです。スカスカよりは。

織田:私も分かります。ライブをやろうが映画の舞台挨拶をやろうが、お客さんがいなかったら話にならない。相手が居てくれるだけで相乗効果で、自分もアガっていいパフォーマンスになったりするんですね。

桐生:選手紹介をするときに、母国だと拍手や応援の声って一番多いと思うんで。

織田:(場内アナウンスの)「桐生」の「き」くらいで、みんなワ―ッてなりますよ。

桐生:それを・・・。

2人:お願いします!

東京世界陸上での目標

織田:ズバリ、目標はどこですか?

桐生:目標はタイムですね。今回は9秒8台が出ないと決勝に行けないと思いますし、そこを目掛けていきたいです。

織田:やばい、やばい。

桐生祥秀選手

桐生:日本もまだ9秒台、全然少ないと思うんですね。今ランキング見たら、35人まで9秒台がいるんで。だから予選の半分以上、9秒台の組が7~8組あるんで。

織田:レベルが上がったよね。9秒台じゃないと予選すら通れない。準決勝のメンバーを見ると、あの人もこの人もっていうメンバーが。

桐生:知らないメンバーはいないと思うんですよ、準決勝は。

織田:各組で「えっあの人が、このうちの誰かが落ちちゃうの」っていうメンツですよね。

桐生:決勝ラインはそうなんじゃないですかね。そこに行きたいと思います。

陸上の聖地・国立競技場

織田:僕にとってはここ(国立競技場)で見られるって、絶対死ぬまでないだろうと思ってるんですよ。東京開催は34年ぶりで、次(あるとしたら)91歳になっちゃうんで、もう無理だなって。だからそういう意味じゃすごく感慨深くて。

織田裕二さん

織田:29歳、30歳って言えば、短距離選手としては一番いいときじゃないですか。脂がのった。それを東京で迎えるっていうのは、桐生さんのために用意しました。

桐生:ありがとうございます(笑)運が良かったのかな。

織田:だよね。日本で最初に9秒台を出したレジェンドなので。ここはぜひ、悔いのないように。

桐生:はい、分かりました!

織田:楽しんで頑張ってください!常に応援しています。

桐生:ありがとうございます。

取材終了後、織田さんは感慨深そうに「本当に余裕があるよね。一番最初のときから見てるけど、一番いい感じだな。さすがだね、ベテランになったね」と呟いた。

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