昨夏のパリ・オリンピック(五輪)でバレーボールの男子日本代表はSNSで誹謗(ひぼう)中傷を浴びた。特に深刻化したのは準々決勝のイタリア戦で逆転負けした後。選手個人に対する批判が高まった。
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日本バレーボール協会の川合俊一会長はまず競技への理解を求める。
「バレーボールは誰かがミスしないと永遠に続くスポーツ。ミスで成立するスポーツなんです。大事なところでミスをするのは、勝負に行って、ギリギリのところで戦っているから。その意味では、ミスをしたからたたくというのはまず違うというのが大前提です」
そして、こう続ける。
「決めきれなかったのはチーム全体の力がなかったということ。チーム全体に対する批判は一つの意見だと思いますが、『おまえのせいで負けた』『もう二度とバレーをするな』と個人攻撃をしたり、人格を否定したりするような言葉は誹謗中傷です」
川合会長はイタリア戦後、SNSで中傷があふれていることを知り、広報スタッフと相談。試合の2日後に協会の公式サイトやSNSを通じて、会長名で声明を出した。
「怒りに任せた暴力的なコメントやアスリート本人の尊厳を傷つけるようなメッセージ。悪口をいうことで人を傷つける行為、いわゆる『誹謗中傷』を見過ごすことはできません」
9月12日に開幕した男子の世界選手権で、日本は13日に初戦を迎える。同じ被害が繰り返されないように、川合会長は力を込めて言う。
「人気があるからこそ、試合を見ていただけている。それはありがたいこと。でも、誹謗中傷は許すことができない。我々は選手を必ず守らなければいけない」
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