SCSKは19日、完全子会社のネットワンシステムズとの経営統合に関する戦略説明会を開いた。両社の既存事業の連携や新規事業の創出を通じて、2030年度に売上高で500億円分の相乗効果を創出することを目指す。正式な経営統合時期は27年4月とした。当初計画から1年遅らせる形になる。

SCSKの當麻隆昭社長は説明会で「顧客企業のアプリケーションからネットワークまで一気通貫で支えるIT(情報技術)サービス企業を目指す」と語った。ネットワンの竹下隆史社長は「社員同士が会社の垣根を越えた活発な対話を重ねている。連携を一段と強め、圧倒的な存在感を持つ企業グループに進化したい」と意気込んだ。

経営統合後の成長軸には「顧客基盤の拡大」を挙げた。SCSKは大手企業のシステム受託開発や、自社製の統合基幹業務システム(ERP)を手掛ける。ネットワンは企業向けの通信機器販売や、オフィスとデータセンターをつなぐネットワーク構築を得意とする。両社は重複する顧客が少ないため、相互送客の効果が高いとみる。

システムとネットワーク、情報セキュリティーなどを統合したサービスの開発にも力を入れる。製造業のデジタル化やモビリティーといった領域でも新事業の創出を狙う。

SCSKは24年11月、ネットワンを完全子会社化すると発表した。同時に26年4月の経営統合を目指すとも表明していた。當麻社長は統合時期の延期について「(統合効果を最大化するための)経営形態の検討にはさらに時間を要すると判断し、慎重に対応することにした」と説明した。

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