オーストラリアビクトリア州のメアリーベール工場

日本製紙は22日、オーストラリアのビクトリア州政府を提訴したと発表した。州営の森林伐採会社から原料となる木材を調達していたが、州裁判所による伐採差し止め命令によって供給が滞った。州政府が原木供給契約を違反したとして約4億豪ドル(約400億円)の損害賠償を請求した。

段ボールの原紙製造などを手がける豪州子会社のオパール社が、ビクトリア州最高裁判所において同州政府を提訴した。同社はビクトリア州でコピー用紙製造などを手がけ、その原材料を州100%出資の伐採会社から2030年まで調達する契約を結んでいた。

日本製紙は「メアリーベール工場でのグラフィック用紙事業からの撤退を余儀なくされ、多大な損失を被った」と主張している。

22年に現地裁判所が伐採会社に対して、希少動物保護の取り組みが適切でなかったとして伐採の差し止めを命令し原木供給が止まった。オパール社は他の調達ルートを検討したものの難航し、豪州でのコピー用紙などのグラフィック用紙事業から撤退していた。これまで州政府と示談交渉を続けてきたが合意に至らなかった。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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