
自然を守ることが仕事になり、経済成長につなげていくことを目指す一般財団法人「ネイチャープレナー・ジャパン」(NPJ、岡山県西粟倉村)が発足した。環境に配慮した農林水産業や観光業などでの起業を目指す若者を、資金面やノウハウで支援していく。
ネイチャープレナーは、Nature(自然)とEntrepreneur(つくる人)を組み合わせた造語。代表理事には深尾昌峰・龍谷大副学長が就任し、社会課題の解決に取り組む人材を育成しているNPO法人「エティック」、里山再生などを進める企業「エーゼログループ」などが発起人となった。
8月27日に目黒区駒場の東京大で開催された設立レセプションには、全国の起業家や学生、学識経験者ら約150人が出席。深尾代表理事は「環境か経済かの時代ではない。ネイチャープレナーが経済活動の主役となるよう人材育成と地域づくりに取り組んでいこう」と呼びかけた。
自然を守る活動を巡っては、多くの実践例があるものの、資金が流れ込みにくく、成功事例についてもどのような工夫で達成したのかなど情報共有が遅れていた。

一方で、35歳以下を対象にエティックが共催した環境起業家育成プログラムには、学生を中心に想定を3倍も上回る約500人が応募するなど、環境保全への関心を寄せる若者が増えている。そこで、各地で活躍する環境起業家が連携し、若者を支援していくことになった。
具体的な目標として、5年以内にネイチャープレナーを目指す人材を200人以上輩出し、10社以上の起業を掲げている。NPJは「一人一人は小さな芽だが、社会全体で育み、大きな森に育てたい」として、600万円を最終目標にしたクラウドファンディング(CF)への協力を求めている。問い合わせはウェブサイト(https://naturepreneur.jp/)。【田中泰義】
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