
合成樹脂繊維大手の萩原工業は主力製品のブルーシートを住宅の建築現場から使用後に回収し新品に再生して提供する水平リサイクルを拡大する。使用済みシートの循環で連携する住宅会社は地元の岡山県内の1社のみだったが、宮城県の企業とも手を組んだ。岡山県内に設けた処理設備の稼働率向上につなげる。
あいホーム(宮城県富谷市)と8月下旬、使用済みシートの再資源化で連携協定を結んだ。年間約250棟の住宅新築時に生じるシート約15トンを回収し、新品によみがえらせて同社の建築現場向けに販売する。

2022年から先行して取り組むライフデザイン・カバヤ(岡山市)からは24年に約30トンのシートを回収。再生原料を25%以上含むエコマーク付きシートとして納入する。温暖化ガス排出量や廃棄物の削減を訴え他の住宅会社にも同様の関係を広げる。
萩原工業は岡山県赤磐市で6月、回収したシートを粉砕・洗浄して異物を除く独自開発のラインを稼働した。粒状の樹脂に加工する設備も備え、これを一部原料として岡山県内の自社工場でシートに再生する。
同社は標準サイズ換算で年間約70万枚のシートを販売し国産ではシェアが9割を超す。SDGs(持続可能な開発目標)への対応を通じ安価な輸入品に対抗する狙いもある。
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