
医薬品メーカーの中外医薬生産(三重県伊賀市)は24日、約100億円を投じて新工場を建設すると発表した。OTC医薬品の胃腸薬や解熱鎮痛剤、総合感冒薬など錠剤の生産能力を従来に比べ3倍の年産30億錠に高める。2028年4月期の売上高を25年4月期実績に比べ76%増の120億円に引き上げる。
医療用医薬品の有効成分を市販薬に転用した「スイッチOTC」の需要拡大をにらむ。政府は医療費削減を見込み、軽い不調には市販薬を活用し自分で対応するセルフメディケーションを推進している。
伊賀市内の既存工場(みどりケ丘第一工場、第二工場)から名阪国道を挟んだ隣接地で、8月から工事に着手した。延べ床面積約8000平方メートルの鉄骨造3階建てで2026年12月の竣工、27年春ごろからの稼働を目指す。最新の自動化設備を導入するなどして、1ライン当たり最大3倍の生産性向上を目指す。
経営効率の向上を原資として28年4月期から3年間、毎年5.5%賃上げする。物価高を踏まえて従業員の待遇を改善する一方、研究職など高度人材の受け皿となる。新工場の稼働に伴い地元を中心に70人ほど新規採用したい考え。
同社は興和や第一三共ヘルスケアなど大手の受託製造のほか、ドラッグストアチェーン向けにもプライベートブランド(PB)商品を生産している。
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