
パナソニック子会社で電動自転車を製造するパナソニックサイクルテック(大阪府柏原市)は25日、特定小型原動機付き自転車(特定小型原付き)を12月上旬に発売すると発表した。想定価格は23万4000円。販路は同社が認定した店舗に限定し、販売時に交通ルールの説明を徹底することで安全意識の向上を図る。
製品名は「MU(エムユー)」。最高時速20キロメートルで車道を走行できる「車道モード」と、最高時速6キロメートルで一部の歩道と路側帯を走行できる「歩道モード」の2つを搭載する。車体の長さは161センチメートルで重さは24キログラム。一度の充電で約40キロメートルの走行が可能だ。
坂道での出力を抑制する加速度センサーを搭載することで、上り坂での発進時に前輪が浮いてしまう「ウイリー」を軽減する。パナソニックサイクルテックが販売する電動アシスト自転車と共通の部品を採用しており、全国に1万店以上ある同社の販売店での修理が可能だ。

2023年7月に施行された改正道路交通法により、新たに特定小型原付きという車両区分ができた。特定小型原付きにはシェアリングサービスで利用されている電動キックボードも含まれる。足元で都市部を中心に交通事故も多発しており、安全面での懸念が指摘されている。
パナソニックサイクルテックでは特定小型原付きの交通ルールや自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)への加入手続きなどに関する講習を販売店向けに実施する。同社から認定を取得した店舗のみに販売を限る。自治体や警察などと連携して交通ルールの講義を実施するなど、啓発活動にも力を入れる。
パナソニックサイクルテックは1952年の設立。電動アシスト自転車でトップシェアを維持しており、2024年の累計出荷台数は500万台にのぼる。バス路線の廃止や高齢ドライバーによる交通事故の増加などを背景に、電動マイクロモビリティーの需要が高まるとみて、特定小型原付きの販売に乗り出す。
パナソニックサイクルテックの稲毛敏明社長は「免許無しで誰もが安全に乗ることのできる商品のラインアップを今後も拡充していきたい」と語る。
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