ウーブン・シティの専用道を電動三輪車「パーソナルモビリティー」で移動する人たち=静岡県裾野市で2025年9月25日午後2時55分、鶴見泰寿撮影

 自動車メーカーから「モビリティーカンパニー」へ。人やモノだけでなく、エネルギーや情報なども届ける「モビリティー」の可能性を広げる未完の街として、トヨタ自動車の実証都市「ウーブン・シティ」が25日、始動した。業界をまたぐアイデアや文化の相乗効果で先進的な技術やサービスを創出し、「豊かな社会づくり」を目指すという。

 「異業種のさまざまな視点や強みをかけ合わせ、良い社会を実現させたい。日本全体に貢献したい」。豊田章男会長の長男でトヨタの子会社「ウーブン・バイ・トヨタ」の豊田大輔上級副社長は、そう意気込む。

 この日、トヨタグループ以外の参画7社も実証実験について公表した。ダイキン工業は一部の住居を利用して「花粉レス空間」づくりを進める。増進会ホールディングスは保育施設で3歳未満の子供の発育を撮影し、映像データから先進的な教育法を探る。共立製薬はペットと人の共生推進に向け、居住者アンケートを通じてルールや指針づくりの調査をするとしている。

 報道陣に公開された街区では、専用道を小型の電動三輪車「パーソナルモビリティー」で移動する人の姿がみられた。このほか、一般の公道とは異なる交通環境を生かし、通信機能を備えた「コネクテッドカー(つながる車)」の実証も進む。街を走る電気自動車「イーパレット」が位置情報と速度情報を発信。信号機はふだん歩行者側を青色に点灯させておき、車が近づいたら赤色に変える仕組みなどを検証する。【鶴見泰寿】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。