トヨタ自動車が建設した実証都市「ウーブン・シティ」(静岡県裾野市)が25日、始動した。2020年の構想発表から5年。同社を含む19の企業が参画し、人が暮らす環境下で車の運転や物流の自動化などの実証実験を本格化する。一般来訪者の受け入れは26年度以降を目指す。

開業したのは約4万7000平方メートルの第1期工事区域。住居棟8棟を含む建物14棟が立地しており、今後、トヨタ関係者をはじめとした約300人が居住する。

注目が集まるのは自動運転技術の実験。スマートフォンで指定した地点までロボットが車を誘導する新たなカーシェアや、ロボットを使った無人配送の技術などを検証する。

車関連以外では、ダイキン工業や日清食品など異業種7社も実験に参画。トヨタと連携し、新たな製品やサービスの創出を目指す。トヨタの豊田章男会長は式典で「街というより、未来のためのテストコース。1社だけでは起こせない『掛け算』を起こしていく」と意気込んだ。

先端技術の研究を目的に、自動車メーカーが街をつくるのは世界的にも珍しい試み。地元の裾野市は「ウーブン・シティの中だけで収まらず、市民生活の向上につながるような技術開発に期待したい」(担当者)としている。

トヨタ自動車の「ウーブン・シティ」の中庭と、自動運転の電気自動車(EV)「イーパレット」=25日午後、静岡県裾野市

トヨタ自動車が建設した「ウーブン・シティ」(ウーブン・バイ・トヨタ提供)

トヨタ自動車の「ウーブン・シティ」内を走行する電動小型三輪モビリティー=25日午後、静岡県裾野市

トヨタ自動車の「ウーブン・シティ」内で、シェアカーを誘導して自動で搬送する自律走行ロボット(右)=25日午後、静岡県裾野市

トヨタ自動車が建設した実証都市「ウーブン・シティ」が始動し、式典であいさつする豊田章男会長=25日午後、静岡県裾野市

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