
中国電力は、脱炭素化への取り組みの達成度合いに応じて金利が変動する「トランジション・リンク・ローン」で全国46行から1095億円を調達すると発表した。2030年度までの運転開始を目指す島根原子力発電所3号機(松江市)の安全対策工事や再生可能エネルギーの導入拡大などに充てる。
中国地方の取引銀行である広島銀行、中国銀行、山口銀行、山陰合同銀行、鳥取銀行が共同幹事社となって全国46の地方銀行が協調融資する。融資は30日付で、契約期間は35年9月までの10年間。
中国電は30年度の小売り電気事業での二酸化炭素排出量を13年度比で半減することを目標に定め、達成すれば金利が下がる。中国電は23年にはメインバンクのみずほ銀行を幹事社とする同ローンで1200億円を調達している。
中国電は島根3号機の安全対策工事などで多額の設備投資が必要で、24年度のフリーキャッシュフロー(純現金収支)は1728億円のマイナスだった。6月末時点の有利子負債残高は3兆2449億円で、自己資本比率は16.3%。
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