
リネンの貸し出しやクリーニングなどの事業を手がける武蔵屋(さいたま市)は、武蔵野銀行、一般社団法人のテキスタイルサーキュラーネットワーク(大阪府泉大津市、TC-Net)と連携し、不要となった衣服の資源循環を推進する。譲渡会などで新たな利用者に渡すほか、バッグやハンガーなどに再商品化する。
埼玉県内では食品産業などで廃棄物などの資源を効率よく循環させるサーキュラーエコノミー(循環経済)の機運が高まっており、衣類についても先行事例を構築していく。
新たに運用するスキームでは、まず家庭で不要になった衣類を武蔵屋のクリーニング店舗で回収する。子供服などは自社で洗浄・譲渡し、それ以外の服はTC-Netに一括して引き渡す。TC-Netは状態の良い衣類を再利用の市場に流通させる一方、再利用が難しい衣料については繊維原料に加工し、マットや断熱材など幅広く活用できるようにする。
武蔵屋はこれまでも、サイズアップで不要となった子供服の無償譲渡イベントを開催してきたが、持続的に運用できる仕組みへと昇華するために、3者での連携を決めたという。
一連の事業は2025年度、埼玉県産業振興公社の「サーキュラーエコノミー事業化支援補助金」に採択された。今後は進捗状況の共有などをしつつ、新たな資源循環事業者や地方自治体などとの連携も検討する。
26年度には1カ月あたり500キログラム、27年度には1000キログラムを回収できるように事業を広げることを目指す。小林総子社長は「地域に根ざしたクリーニング事業者として、これまで焼却処分されていた衣類の活用策を模索していた。取り組みを自社のブランディングにもつなげたい」と話す。
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