富士フイルムBIの製造業向けクラウドサービスの画面

富士フイルムビジネスイノベーション(BI)は29日、試作部品の出来栄えを3次元(3D)で確認できるクラウドサービスを始めたと発表した。主に企業の開発と生産部門の利用を見込む。量産開始に向けた擦り合わせ工程の短縮など新製品の開発期間を短縮したい需要を取り込む。

新たに開発・生産現場向けクラウドサービス「3DWorks(スリー・ディー・ワークス)」の取り扱いを始めた。自動車や家電、産業機械など幅広い分野での普及を狙う。

新サービスでは開発部門が持つCAD(コンピューターによる設計)データをもとに3Dモデルを生成する。実際の試作でどれだけズレが生じたかなどの結果データも統合する。開発と生産の両部門は同じシステム上で寸法や品質が合格基準を満たせるかといったことを確認できる。

製造業の現場では、紙の図面や検査表を使い、熟練技術者の経験や知見に頼って擦り合わせが進められることが多い。開発期間の長期化やコスト増につながる要因の一つになっている。

富士フイルムBIはサービス開発にあたり、複合機・プリンターの開発で実証を重ねた。実証では印刷会社向け大型プリンターの量産までの開発期間を4カ月短くできた。

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