
経営再建中の日産自動車がサッカーJ1横浜F・マリノスの運営会社「横浜マリノス」(横浜市)の株式の売却を検討していることが29日、明らかになった。関係者によると、日産はマリノス株の約75%を保有しており、複数企業に売却を打診しているという。日本リーグ時代の1972年に創部した名門クラブの運営から退く可能性がある。
関係者によると、日産は金融機関を通じて複数の企業にクラブ運営権の売却を打診。年内には候補先を選定する方針だという。
日産は取材に「当社から発表したものではない」としている。クラブの広報担当者は「報道は確認しているが、こちらから話せることはない。こちらとしては分からないのが現状」と話すにとどめた。
神奈川県の黒岩祐治知事は、売却検討の報道を受け「県の立場からコメントをすることは差し控えたい」などとする文書を出した。横浜市の山中竹春市長は「関係者に事実確認を行っている。クラブのホームタウン活動やスタジアム活用、地域との連携が継続・発展することを最優先に、市としても必要な対応を行っていく」とコメントした。
日産は2025年3月期の連結最終(当期)損益が6708億円(前年は4266億円の黒字)と巨額の赤字に転落。経営再建に向け、国内外7工場閉鎖などコスト削減を進めている。
スポーツ関連では、サッカー英プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティーなどを傘下に持つシティ・フットボール・グループとのパートナーシップ契約を解消した。また、マリノスが本拠地とする横浜国際総合競技場(日産スタジアム)の命名権についても、横浜市に現在の半額以下となる年5000万円で1年間の契約更新を打診している。【鶴見泰寿、高野裕士、蓬田正志、岡正勝】
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