やずやとJLLは共同でアリーナ施設を運営する(写真はイメージ)

健康食品大手のやずや(福岡市)は29日、福岡市に6000人を収容できる新アリーナを建設すると発表した。2026年8月に着工し、29年3月の開業を目指す。男子プロバスケットボールのBリーグ2部「ライジングゼファー福岡」の本拠地として使う。バスケの試合以外にもスポーツ関連のイベントに活用する。

新アリーナは福岡市東区の人工島「アイランドシティ」に建設する。建設費用は明らかにしなかった。地上4階建ての施設を想定する。観客席はバスケットボール興行時で約6000席、VIP席も18席設ける。天井には国内のアリーナで最大規模とみられる約1800平方メートルのモニターを設置し、興行やスポーツの演出に生かす構想だ。

アリーナはやずやが建設し、不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)傘下のJLLリテールマネジメント(東京・千代田)と共同で運営する。

アイランドシティでは、スーパーや飲食店が入る複合施設「island eye(アイランド アイ)」を両社が共同で運営している。スーパーや隣接するやずやのホテルの売上高は好調といい、アリーナが開業すればさらなる相乗効果が見込める。

「新アリーナと、複合施設やホテルを含めて収支をあわせるビジネスモデルにしていきたい」。やずやグループの矢頭徹社長は29日、福岡市内で開いた記者会見で新たに建設するアリーナについて意気込みを語った。

ライジングゼファー福岡は26年10月にできる最上位のBリーグ・プレミアへの参入を目指している。新アリーナ建設地の隣には約5000人を収容する「福岡市総合体育館」が18年に建てられたが、VIP席がないなど参入に必要な条件を満たしていなかった。

やずやの矢頭徹社長(中央)やライジングゼファーフクオカの古川宏一郎社長(右から2人目)らが記者会見を開いた(29日、福岡市)

Bリーグ人気が追い風となり、スポーツやコンサートに使うアリーナ新設計画が全国で相次ぐ。

今回のアリーナ施設は「コンサートなどでの利用も検討するが、あくまでバスケットボールを中心にスポーツ利用が中心」(矢頭社長)という。今後はスポーツ関連の展示会などの引き合いがあれば積極的に検討する。

福岡市内には野球興行時で約4万人を収容できる「PayPayドーム」、収容能力約1万5000人の「マリンメッセ福岡A館」などがある。ただ、人気アーティストのコンサート誘致には両施設だけでは不十分との認識が広がっている。

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