トレーで料金収受が行われている栃木市ふれあいバス=栃木市で2025年7月4日午前9時55分、太田穣撮影

 栃木県栃木市のコミュニティーバス「ふれあいバス」の大平・藤岡、岩舟の両線で、運行事業者が仕様書で定められた設備を備えずに運行している疑いがあるとして、同市議会が29日、市監査委員に監査を請求することを決めた。

 ふれあいバスは、廃止された路線バスに代わる公共交通機関で、市が地域公共交通計画を策定し、プロポーザル方式で事業者を募集している。事業者は市との協定に基づき、一般乗合旅客運送事業として運行し、運行経費から運賃収入を引いた赤字分を市が補助している。車内設備はプロポーザル時の共通仕様書で例示されている。

 大平・藤岡、岩舟線はいずれも市内のバス会社「ティ・エイチ・エス」(佐山和章社長)が運行している。「車内案内表示施設や両替機がない」「料金箱ではなく、乗車時にトレーで料金を支払わされる」などの指摘や改善指導を求める要望が同市や市議会に寄せられていた。

 市議会では「乗客の安全確保のための設備の不設置状態が数年単位で続いてきた」と問題提起され、運行実態の確認と対応の妥当性について監査請求を求める決議を可決した。【太田穣】

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