
花王は1日、使用済み紙おむつをリサイクルするシステムの実証実験を徳島県上勝町で始めると発表した。独自開発した装置で半炭化物に加工し、再利用する。化石燃料の代替燃料や土壌改良資材として活用することで、二酸化炭素(CO2)の排出削減につなげる。
同システムは廃棄紙おむつから水分を除去し、炭素を多く含む半炭化物に加工する仕組み。殺菌・消臭処理も施し、体積を約20分の1に圧縮して回収の負担も軽減できる。
花王と上勝町は同日、町内の「上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY)」で包括連携協定を結んだ。年内にも同センターに装置を設置し、日常的に活用できるかを検証する。同町は焼却や埋め立て処理をなくす「ゼロ・ウェイスト宣言」を掲げており、高齢化が進む地域で持続的に活用できる仕組みづくりを目指す。
花王は21年に愛媛県西条市の保育園でも同システムを導入。今回は処理能力を1回あたり30キログラムから50キログラムに高めた。上勝町で1日に回収される紙おむつなどのおむつ類は平均約30キログラムで、その日に処理できるという。

環境省によると、使用済み紙おむつの排出量は30年度に年間245万〜261万トンに達し、一般廃棄物に占める割合が6.6〜7.1%に上昇する見込みだ。少子化の一方で、高齢化により大人用紙おむつの利用が増加していることが背景にある。

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