引退する近江鉄道の「赤電」=同社提供

西武グループの近江鉄道(滋賀県彦根市)は鉄道ファンに人気の「赤電」と呼ばれる車両の引退イベントを開く。県東部の路線で11月15日から2日間、特別列車を走らせる。乗車希望者を有料で募り、いくつかの途中駅では撮影会も開く。同社は鉄道部門の再建中で、イベントを通じ沿線住民の認知度を高め利用増につなげる狙いだ。

赤電は外観を赤とベージュの2色で塗った車両の愛称で、近江鉄道線では1編成(2両)を運行している。これが老朽化で引退すると決まり、15日には米原―彦根間、「ラストラン」の16日は八日市―米原間をそれぞれ1便運転するイベントを企画した。いずれも主要な駅だけに止まる特別列車で、途中駅では撮影会を計画している。

現在の赤電は親会社の西武鉄道から譲り受けた「401系」車両を改造し、2016年の近江鉄道創立120周年の節目に2色へ復刻塗装した。近江鉄道の鉄道線では1960年代から80年代にかけて赤とベージュの車両が主流だったため、このカラーリングは地域住民のノスタルジー(郷愁)に訴える効果があるという。

特別列車の乗車を希望する場合、グループ企業である近江トラベル(彦根市)のウェブサイトから11月7日までに申し込む。先着順で、1日あたりの定員は70人に定めた。申し込みが40人に達しなければ開催を見送る。1日の料金は1人1万5822円。添乗員が同行し、運行中の撮影、録音は原則として制限しない方針だ。

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