TDKが開発したAI半導体(2日、東京都中央区)

TDKは2日、脳の仕組みを模した人工知能(AI)半導体を北海道大学と共同開発したと発表した。センサーと組み合わせて、人やモノの動きを瞬時に学習する用途に使う。電力効率の高いチップとして実用化を目指し、2028年ごろから量産準備を始める。

4ミリメートル×4ミリメートルのチップの試作品を開発した。人の小脳の仕組みを模してアナログ回路を構築した。一般的にデータセンターで使われる大規模な演算処理が必要なAI半導体と比べて単純な構造で、少ない電力で高速に学習できる。

センサーをつけたロボットやウエアラブル端末などの動きの検知に使う。クラウドではなく、端末側に搭載するエッジAIに特化する。低消費電力でリアルタイムに動きを学習して予測することが可能になる。例えば、産業用ロボットの動きを学習して異常が生じる前に検知できるようにする。

時系列データの計算が得意な「リザバーコンピューティング」と呼ばれる分野で、高性能なチップの動作を確認した。強みとする電子部品の開発で使われるアナログ技術を生かした。

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